『天国の罠』

堂場瞬一さんの作品。

フリーライターの広瀬が元代議士の今井から自叙伝執筆の依頼を受ける。

それと同時に、15年前に失踪した今井の娘・香奈の捜索も頼まれた。

次々と妨害を受ける広瀬。

広瀬は香奈を見つけることができるのか？

「天国の罠」というタイトルの意味はとても納得がいった。

印象に残った文。

「君、男の生き方を決めるのは女だよ。それ以外にはあり得ない」

フォトフレームの中に落ち着いた懐かしい写真を見つめる時のような、和やかで落ち着いた顔つきだ。

悪夢から目覚めたつもりが、待っていたのは同じような悪夢だったとでもいうように、彼が顔をしかめた。

「情報っていうのは、集めようという意思が強い人間のところに、自然に集まってくるものなんだよ。」