『ラブコメ今昔』
有川ひろさんの作品。以下の作品が収録されている。
ラブコメ今昔、軍事とオタクと彼、広報官、走る!、青い衝撃、秘め事、ダンディ・ライオン
「ラブコメ今昔」が一番好きな話である。
「広報官、走る!」では、テレビ局と自衛隊との間で板挟みになる政屋が可哀想だと感じた。ADの鹿野もディレクターから叱責を受けていて大変そうだと思った。
「青い衝撃」では、ブルーインパルスのメンバーにつきまとう女性が怖かった。制服の後ろの襟にメモを挟んで、妻に見つかるようにしているところが打算的だと感じた。
「秘め事」では、些細なきっかけから上官の娘と付き合い始めた自衛隊員の姿が描かれる。上官にいつ切り出すか悩んでいる姿が印象的だった。
印象に残っている文
習志野空挺部隊と呼び習わされる第一空挺団は習志野駐屯地に籍を置いている。しかし習志野駐屯地自体は習志野市と何ら関係なく船橋市に所在する。
「隊内結婚者の離婚率が非常に高いことも?」それも常識だ。最大の理由は、結婚してからの転属である。
テレビはまた業界の性質が違うためだろうか、ちょっとした取材でも小さな遅刻が多い。十分二十分は遅刻に数えないかのような体質は、五分前行動を宿命的に体に叩き込まれている自衛官とは決定的に相容れない。
「それに皆さんだって困るでしょう。自分たちの安全を預けてる人間がいざ有事のときに怯えて腹が据わらないようじゃ」