『青空と逃げる』


辻村深月さんの作品。

四万十、家島、

父親がとても良い人で本当に良かった。

慣れ親しんだ友達と急に別れてしまうということは、本当に辛いことだと思う。

それぞれの場所で心温かい人がいるもんだとわかり、ほっとした。




印象に残っている文


「行ってみてもいいかな?」
母が力に聞いた。もうそうすると決めているくせに今更自分に尋ねるのはズルい気もしたが、それでも聞くだけ、これまでよりはマシな気もした。


自分の家で作ったものではない弁当は、食べていて、なんだか落ち着かなかった。おいしくても、うちの味じゃない、という気持ちが強い。


否定でも肯定でもない、曖昧な「別に」。


背負うものがあるということは、強い。


この場所に生活をまるごと置き去りにするのが、悔しかった。


「写真の仕事は、きのうとあしたの仕事の両方があるんだと思ったんだよ」
「きのうとあした?」
「うん。そんなふうに失ってしまった“きのう”を取り戻す手伝いをする仕事と、これからのことーー“あした”の思い出を残していく仕事。」

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