『ギャングエイジ』

川端裕人さんの作品。川端さんの作品は初めて読む。

千原津市の神無城小学校で新採用の教員となった日野晃道。彼の担当する学年は昨年度問題が起こっていたようで、晃道は慣れないながらも奮闘する。


晃道の学年の川崎先生が生徒の様子を付箋にたくさん書いているのを知って、すごいと感じた。

クラスをまとめるというのは難しいことだと感じた。

ムサシ先生の言葉が印象に残っている。

PTAの話を聞いて、もう廃止した方がいいのではないかと感じた。

「小学校半分卒業式」という試みがとても良いなと感じた。


印象に残っている文

新しく学級を開くためには、思いもしないような作業があるもので、晃道のメモ帳はすぐにたくさんの項目で埋められた。

不安であることには変わりないけれど、名前を確認していくだけで、だんだん「ぼくのクラス」と言えるような気がしてくるから不思議だ。

学校が持っている独特の磁力というのは、子どもたちが放つ色とりどりの感情の渦から生まれるのではないでしょうか。

学校では実に様々なことが、様々な関係者との間で同時進行している。一人の教師がすべてを常に見て、うまく調整することなど困難だし、ひとつのことにこだわってほかの仕事を放置しておくこともできない仕組みになっている。

「前略 でもさ、学校長なんてたいてい、子どもでも保護者でもなく教育委員会の方ばかり見てるし、職員室の同僚だって、ただ楽したいだけのやつがいっぱいいるし、保護者も保護者で家庭でやるべきことまで学校でやってほしいなんて勘違いも甚だしいこと言い出すしーー」

「カペ・アラミドは、フィリピンのジャコウネコが食べて消化されかかった豆から作るんですよ。そして、この幽玄たる味わいが実現する。コーヒー豆という生命の結晶を、さらにジャコウネコが生体で発酵させるこの豊かさ。どこか、学校に似ていると思いませんか」

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