『ディア・ペイシェント』


南杏子さんの作品。
南さんの経歴に驚いた。
才で医師になり、才で作家デビュー。
こんなに多才な人は地球上の中でもあまりいないだろう。

医師とは何かという問いを私たちに投げかけている。

私たちはケガや病気をしたときに、治療を受けられることが当たり前だと考えている。中には、医師のことを人間だと思っていない人もいるだろう。

残業して命を削って患者のために働いてくれている医療従事者の方には、頭が下がるばかりだ。



病院では、「心づけ」を絶対にもらってはならないという規則がある。
わずかな差だが、吸気のときに脈が速くなり、呼気で遅くなる。
「ホントの話、私たちが一生懸命やるのはお金のためじゃない、使命感よ。」
「訴訟は運じゃない。医者が何をやったかではなくて、どうやったか、で起きる」
「犬が吠え、風が伝える。だが、キャラバンは進む」
「あのさあ、俺たちって、二十四時間医者じゃないとダメなのかな?自分の時間を持っちゃいけないの?」
「千晶は、誠実に患者を癒し続ける人でありなさい。その医療が、いかにささやかであろうが、愚鈍に見えようが、誤解を生もうが、力不足であろうが、それでいいんだ」


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