『佳代のキッチン』

原宏一さんの作品。以下の話が収録されている。

キャベツの子、ベア五郎、板前カレー、コシナガ、井戸の湯、四大麺、紫の花

持ち込まれた食材で「いかようにも調理します」というスタンスで、キッチンカーで調理屋を営む佳代。

佳代が中3のときに両親が失踪しており、両親の情報を求めるために始めた商売だ。


行く先々で顧客を獲得していく佳代の人間力がすごいと思った。

佳代の母親の作った特製親子丼が美味しそうだと思った。

鮨天が特に美味しそうだと思った。マグロやサーモンの鮨天を食べてみたいと感じた。

佳代の両親の過去が明らかになるにつれて、だんだんと両親への見方が変わっていった。


印象に残っている文

「けんちん汁って本来は肉なしで作るものらしいんですよ」

食べ物は、ただ腹を満たせばいいというものではない。どんな状況で、どうやって食べるかで、同じものがまるで違う味になってしまう。

『チキンとエッグは親子なの。ふだんは離れていても、いざこうやって一つになればおいしい関係になれる。そういうものなのよ』

クスクスは意外と知らない人が多いのだが、パスタに使われるデュラム小麦粉を粗挽きにして水を吸わせ、粒状にして乾燥させたもの。早い話が粒状パスタ。

信用組合の理事長だった百福は四十八歳のときに倒産の憂き目に遭い、自宅以外の全財産を失った。

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