『血縁』
長岡弘樹さんの作品。
以下の作品が収録されている。
文字盤
苦いカクテル
オンブタイ
血縁
ラストストロー
32−2
黄色い風船
「文字盤」で刑事が犯行をシュミレーションしてみる場面がとても印象に残った。
「オンブタイ」が最も印象に残っている。読み終わったあとに、背中がぞっとした。意味が分かると怖い話にありそうである。因果応報な世の中であると思った。
「血縁」を読んでみて、このような関係の姉妹は嫌だと思った。
「黄色い風船」が明るいラストでとても良かった。人間の体の異変に気づいてくれる動物がいればいいなと思う。
印象に残っている文
正直、驚きだった。一般的に昏睡状態というものは、三週間が一つの区切りだと言われている。つまり昏睡したまま三週間たっても目を覚まさなければ、あとはもうずっとそのままになってしまう場合が多いのだ。
「ラストストローだよ。日本語にすれば、最後の藁だ」
「さあ……。たぶん初耳です」「これはね、『どれほど頑丈な駱駝の背中でも、いっぱいまで荷物を載せてしまえば、あとは藁を一本追加しただけで折れてしまう』といった故事から生まれた言葉らしい」