『ぼくはきっとやさしい』
町屋良平さんの作品。
主人公の岳文が女性にフラれまくる話である。
弟の彼女のことを好きになってストーカーしてしまうのは、流石にだめだと思った。
インドに行ったことがないので、一度インドに行ってみたいと思った。
岳文のことがだんだん心配になってきた。
印象に残っている文
ぼくは女のことこのように手を繋いだことはなかった。フォークダンスの経験するもなかった。だから突発的に「危ない!」と手をひかれる、教室内事故的状況しかパッとおもいだせる記憶がなかった。
すきなだけなんだ。いっしょにいたいだけなんだ。でも、乗り越えなきゃならない「壁」が、いつもあるようにおもえてしまうのはどうしてなんだろう?
からだのすみずみにまでリズムを充填させ、なんでもない道でもたのしそうにあるく人間が、いつだってモテる。
彼女をとった親友が彼女にふられる。二度ふられたかのようなしんどさと、とらえどころのない傷みがぼくのコートの内側の皮膚をあたためた。