『ブロードキャスト』

湊かなえさんの作品。

中学生の時に陸上部で駅伝を走った圭祐は、陸上の名門校である青海学院高校に入学する。しかし、交通事故で怪我をしてしまい陸上部には入らない。その後、中学の同級生の正也に誘われて圭祐は放送部に入部する。

ラジオドラマは聞き手の想像力で物語の内容を補うことができるというのがとても興味深かった。

全国高校放送コンテストでは一体どのような作品が見られるのか、今度確認してみようと思う。

他校とテーマが重なってしまうと、賞を取るのは難しそうだと感じた。

テーマ選びがとても重要なのだと思った。

印象に残っている文

熱血教師は小学生のころから苦手だった。がんばってお母さんを喜ばせてあげようね、などと、ひとり親だからというだけで、他のヤツらよりもがんばることを強要され続けてきたのだから。

「だけど、今はそんなふうに思っていない。すごいことだよ。強い自信を得ることができたのに、泣いちゃダメだ。自信が敗北感に飲み込まれてしまう」

だけど、男同士の場合、そんな空気すら生じない。無言のヘンな間ができてしまう。

「JBKの高校生放送コンテストのドラマ部門は、テレビもラジオも、九分以内という規定があるんだ」

「圭祐と話していると、自分の言葉が全部借り物のように思えて、恥ずかしくなってくるよ。一つのことに夢中になった経験があるヤツとないヤツの差だよな」

「これからみんなでがんばろうってときに、一人でも愚痴をこぼすと、僕はうまくたとえられないけど、穴が開いたような気分になるんだ」

「それにさ、ドラマ作りだけじゃなく、伝えるということを、もっと真剣に考えてみたいと思う。話す、書く、スマホで伝える。手段はたくさんあるのに、伝わっていない大切なことがありすぎるような気がするんだ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?