『七色結び』

神田茜さんの作品。

主婦の矢沢鶴子は、水引を作る内職と息子のPTA活動で忙しい毎日を送っている。

ある日、PTA会長のスキャンダルによって鶴子がPTA会長になってしまい……。


PTA会長のスキャンダルを知って、こんなことが現実にあったら面白いだろうなと思った。

PTA会長決めの時の市之瀬みたいなことを言う人は、現実に確かにいるなと感じた。

マサキの作った「PTA」という曲の歌詞に笑ってしまった。

ゴスペルの途中でナナさんがサルサダンスを踊る場面は、その場にいたら絶対に面白いだろうと思った。



印象に残っている文

なんなんだこの歌詞は。中年太りしてしまった妻に戸惑っているED夫の歌みたいだ。

子どものための活動のはずが、結局子どもにしわ寄せが行くのがPTA活動というものだ。

「たかがPTAって、PTAを知らないひとが言う台詞よ。わたしはもうPTA恐怖症になりそう。ピーって音を聞くだけで背筋がぞっとするもの。世の中の理不尽と不条理を集めたようなところなんだから。女ばかりで間違った母性愛の競い合いして、非合理こそが子どもへの愛情だなんて理屈をつけて、三十年くらい時代は止まったまま。そのくせ責任ある仕事は押しつけ合って、責任を免れる立場になると途端に上のあら探しばっかり」

妙な空気になってしまった。前半のいい方向に流れていた風が、雨雲を連れてきた状態での解散だ。でもこれ以上会議を続けるともっとジメジメしそうだ。

ボタンをはずした上着の間から白い肌がおへその下まで続いている。おへそ……。マサキに限っては、あれはおへそなどという歯のすき間から息がもれたような呼び名ではない。あれはスポットだ。バラの花びらが埋まっていそうなフェロモンスポット。


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