『森に願いを』
乾ルカさんの作品。
北海道の中にある原生林の森。そこでは森を訪れる人と、森番の青年が心を通わせる場であった。
森を訪れた人々が最後には前向きに生きていこうとしていたので、良かった。
メアリの言葉がとても印象に残っている。メアリは素敵な人であり、ぜひ話をしてみたいと感じた。
病気を抱える丹の話が一番好きな話だ。
印象に残っている文
ーー何かを美しいと思えるのは、人を愛するのと同じくらい素晴らしいことです。
女はたいてい同性の友人を、自分とカテゴリーが一致していそうな子から選択する。
「自分が転んだと認められない人は、けっして自分から立ち上がることをしません、永遠に」
社会人になったあたりから、丹は、夏至を過ぎると少し物悲しい気分になる。これから毎日明るい時刻が短くなっていくと思うと。
「小学校のクラスじゃないのだから、今の崎山さんの周りが嫌な人だらけなら、それはあなた自身が嫌な人だからじゃないかしら?」
「きれいな世界に生きている。生きて笑っていられる……これだけでもう、一つの幸せのピースだわ」