『闘え!ミス・パーフェクト』
横関大さんの作品。
前作に引き続き、ミス・パーフェクトの莉子が難題を解決していく。
莉子と莉子のライバルによるプレゼンテーション対決はとても見ごたえがあった。
給食の異物混入事件と、人気のないキャバクラに人を呼び込むという一見関係のないことでも、お互いの交流でそれぞれの利益につながるようにしていたのがすごいと思った。
給食の異物混入事件は最後まで犯人が分からなかったので、とても楽しく読めた。
相手のことをきちんとリサーチした上で、相手に交渉を持ちかけるという方法は仕事でも活かしていけると感じた。
印象に残っている文
平成の初め、限界集落という言葉が世間を賑わせたことがあった。社会学者が提唱した言葉で、少子高齢化が進んで人口の五十パーセント以上が六十五歳以上になった集落のことを指す。
一番のじまんがマライア・キャリーとサシ飲みしたことで、二番目の自慢はエリック・クラプトンと一緒にリングサイドで総合格闘技を観戦したことらしい。
届いたメールに返信しているだけで一日が潰れる。笑えない官僚ジョークだ。
体育館にぞろぞろと保護者たちが集まり始めている。こういうときってどうして真ん中から後ろにかけての席が先に埋まっていくんだろうな。
少しでも世の中をよくしたい。国家公務員なら誰しも最初はそういう理想を持っている。しかし実際に霞ヶ関で働くようになると、日々の仕事に忙殺され、徹夜して大臣の答弁書などを作成しているうちに、そういう理想がすり減っていくのだ。