『星間商事株式会社社史編纂室』
三浦しをんさんの作品。
星間商事に勤める幸代の部署は社史編纂室である。
社史編纂室には、みっこちゃん・矢田・本間課長といった個性豊かなメンバーが所属している。
ある日、幸代たちは社史を調べるうちに会社の不都合な歴史について触れてしまう。
社史は一体どのようなものが完成するのか…。
幸代の趣味を大切にする生き方がとても素晴らしいと思った。
大企業には、社史編纂室のような窓際の部署が本当にあるのかどうか気になった。
この本を読んで、コミックマーケットや同人誌についての知識を得ることができた。
ため息で酸欠になりそうだ。
大人になるって、さびしさに鈍感になることなのかもしれないなと、幸代は思った。
仕事に打ちこむ。あるいは、結婚して退社する。どちらでもないなら、堂々とひとに言える趣味に邁進する。この三つ以外の道を進みつつ、会社という組織のなかで生きるのは、なかなか大変だ。
「本来なら、自分の子なんだから育児をしてあたりまえでしょ。『育児に協力的な奥さん』とは言わないのに、『育児に協力的なだんなさん』が褒められるのは変よ」
靴は磨きあげられている。これを靴というのなら、本間課長がいつも履いているのは茶色い紙袋みたいなものだ。
「どうして小説を書くと、ひとは総じてロマンティストになるんですかねぇ」
「面倒くさい」は、恋愛というイベントを木っ端微塵にする魔法の剣だ。
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