『春、戻る』
瀬尾まいこさんの作品。
主人公であるさくらはもうすぐ和菓子店の息子と結婚する予定だ。
そんな中、結婚前に突然現れた12歳年下の『兄』。
最初はさくらの亡くなった父親が兄として現れているのかと思ったが、違った。
兄さんは結局過去に小学校教諭をしていた時の校長先生の息子さんであった。
和菓子が好きなので山田さんの店の団子を食べてみたいと思った。
印象に残った文。
社会に出れば、要領とか情熱とかそういうものでは動かせないものがたくさんある。
↑ 確かにそうである。
和菓子は心を落ち着かせてくれるけど、華やかなケーキを見ると、どこかうきうきする。
「別に正確に思い出す必要なんてないわよ。お父さんがいた事実さえ残っていれば、どれを思い出そうが、思い出がねじれようが、どうでもいいじゃない」
誰だって、今日までをそのまま歩いてきたわけじゃない。いろんなものに折り合いをつけて、何かを手放したり何かに苦労したりしながら、生きていく方法を見出してきたのだ。
↑ 忘れてはならないことだ。
メールは便利だ。声色も表情も見せなくて済むから、照れくささもばつの悪さも伝わらなくていい。意を決して悩んで打った文でも、平静に届けてくれる。
↑ メールやSNSの便利さには助けられている。
さくらとお兄さんの関係がこの後どうなっていくのか、続きを見てみたい。