『僕の神さま』

芦沢央さんの作品。

困った時に問題を解決に導いてくれるため、周りから神さまと呼ばれている水谷くんと僕の物語。


桜の塩漬けというのは作り方がわからないので、今度調べてみたい。

谷野さんが川上さんに水をかけた理由に、納得した。

水谷くんは騎馬戦の戦い方にも詳しくて、すごいと思った。


印象に残っている文

「そっくりだろう? だけど、よく見ると、桜は枝から出た細い茎の先に咲くのにアーモンドの花は枝から直接咲くんだ」

図工の時間は、いつもちょっとだけわくわくして、同じくらいがっかりする。絵でも工作でも、こんなふうにしたい、と頭の中で思い描くものが、どうしても上手く形にならないのだ。

「見たものをありのままに話しているつもりでも、その人が持っている印象によって話の中で出てくる情報は変わる」

「動きが速い騎馬は自ら帽子を取ろうとしたりせず、とにかく敵の騎馬の前を走り回って注意を引く。それで、敵がその動きに気を取られている隙に、背の高い騎馬が後ろか横から一気に攻めればいい」

僕は、こうやって育てられてきたんだ、と思った。子どもを危ない場所に連れて行きたくない、悪いものから守りたい、とそう当然のように考えてくれる親に。

学校という生き物が、呼吸をするみたいにいろんな行事をやって、膨らんだりしぼんだりする。中身の児童はどんな子だろうとあまり差はなくて、トラブルやハプニングもモシャモシャと飲み込んで何もなかったみたいになる。

僕は、ようやく気づく。誰かの謎に挑み、解決策を提示することは、誰かの人生を背負うということなのだと。その人の人生に関わり、結果に対して責任を負う。批判も、後悔も、葛藤も、全部一身に受け止める。


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