明日の君の記憶に僕はいない#1
※この物語りはフィクションで実際の人物、場所などは全く関係ありません
#1 すべての始まり
|夜も更け、みんなが寝静まる頃、月明かりがうっすらと入る部屋に耳障りな音楽とバイブ音が響き渡った
寝ぼけた顔でうるさくなるスマホを探すのはこの物語の主人公、奏汰(かなた)である
ようやっとスマホを片手にとり、いやにまぶしい画面を除く、画面には奏汰の彼女、遥香(はるか)からの着信が来ていた
「はい?どうしたの?」
と、まだ意識がはっきりとしていない声で電話に出る
「あ…えっと…奏汰さんですか…?」
何を言っているのか訳が分からなかった、電話をかけてきたのはそっちじゃないか、なのになんで僕かどうか確認するのだろう、しかも敬語で…
「ん?そうだけどどうしたの??」
眠気で遠のいていた意識を覚醒させ、体を起こし電話に意識を向ける
彼女がたどたどしい声で僕に言う
「すみません、こんな夜遅くに、電話の名前の横に彼氏と書いてたので、確認したくて」
さらに訳が分からなくなってきた、付き合ってるのに、なんで彼氏かどうか確認されなきゃいけないんだ?
ふざけてるのか、かまってほしいのか、そんな風に考えていると遥香の口から驚きの答えが返ってきた
「すみません、私、遥香っていうらしいんですが、記憶がなくて…」
続く
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