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形あるものはみな、いつかサヨナラ

新しい土地で新しい生活を立てるのには、特別な苦労があるのは当然のことなのだが、それをいま夫が家族から遠く離れた地で、しかも言語のハンデがあるなか一人でやってくれていることに、日々感謝している。
初めてのことばかりで、分からないことも多いはずだけど、そういうことに全く心折れない夫の強さは、素晴らしい天賦の才である。

一方、これまで生活した地に残り、物や契約を処分し、古い生活に幕を閉じてゆくのは私の役割。
何気ない物であっても、ひとつひとつ処分していく過程では後ろを振り返らずにはいられない。思い出さずにはいられない。大切かどうかなんて考えたこともないくらいに、当たり前にそこにあったものが、そうでは無くなっていく毎日は、やはりさみしい。
無くすのは形だけ。
大切なのは形や物ではなくて、ちゃんと私の、みんなの心にあるもの。
そう思っているなか、唐突に飛び込んできた「としまえん閉園」のニュースはここへきて、予想外の大ダメージ。昨日、ふと見たニュースでショックを受けた小3次男は

「とと、と、と、としまえんは、ひとつしかないの?無くなるなんて、やだー!うわーーん!!!」

と、まるで漫画のように「わーん!」と言って泣いてしまった。
大事なのは、としまえんじゃない。
心のなかにあるものだよ。
と、言い聞かせている母も泣きべそをかきながらひとり粗大ゴミを出す朝でした。

そのさみしさも糧にして。進もうね前へ。

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