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3話 3-3 ”赤と朱のDNA”

**** PIERCING 3話 グリーンネックレス ****
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 進化した動物や植物が人類に反逆してきた世界のお話です
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「あれ?アイリッシュさんは?」
 アイリッシュも消えていることにミサが気づく。ふと前方を見ると、群れ本体とミサ達との間がさっきよりも広くなっているような印象をうける。
 そこから大分離れた群れの中心の上空。空の大群の更に上。青白く光るリュウトの姿。あまりに強いその光は警報ランプの赤い点滅さえも上書きする。
「数いれば良いってもんじゃねぇんだよ!」
 適当に撃ってもはずしようのないくらい視界を埋め尽くす大群に弾丸を連射しはじめる。
「ハハッ!さすがミカちゃん。弾がすぐに装填される」
 派手な閃光に大群の注意が集まるが、視線の動きに捉えることすら出来ない速度で位置を変えながら足元の空へ連射し続ける。
「さすがトーマの索敵は完璧だなー」
 撃ちながらも更に加速するリュウト。位置を変える瞬間の強烈な光は横に走る稲妻の如く。その軌道は目で捉えることはおおよそ不可能なほどで、光の軌跡すら残さない。
 赤い空を覆い尽くす真っ黒なそれに風穴が空きはじめた。
「くぅ!燃えるぜぇぇ……ハハハ」
「キャー!!リュウトさん調子に乗りすぎ……」
 悲鳴を上げるミカ。
「ちょっとミカ……大丈夫?」
 ミサが視線を外さずに問いかける。
「弾の生成がおかしいの……」
「え?」
「理由はわからないけど、意識しているより速い速度でリュウトさんの弾が生成され続けているの」
「レイチェル、ミカにもサポートを……」
「とっくにやってるっての!!くそっ……リュウトもアイリッシュも弾け過ぎだっ……」
 ミカとレイチェルは自分の意識レベルを超えて能力が発動している感覚に襲われていた。それはまるで対象の動きに共鳴しているかの様な状態。共鳴と言えば聞こえは良いが、もはや能力を強制的に発動させられている。乗っ取られていると言っても良いかもしれない。
 ミサが状況を飲み込めずにいると、突如目の前で前方を守っていたスピナー二人組が倒れた。
「ちょっと、リーダー……なんで……?」
「え?」
「俺達から体力を……」
「何言ってるの?私は何も……」
 ミサは二人から体力を奪うようなことは一切していなかった。
「まったく、まるで暴走列車ですね」
 トーマが一定の速度で射撃をしながら、やれやれと言った感じに話しはじめた。
「どういうこと?」
「原理はわかりませんけど、多分自分たちの燃料だけじゃ飽き足らず私達の能力や体力を消費し始めているのかと。先程から私の索敵能力も、私の意識より広い範囲で発動しています」
 ミサの疑問に冷静さを欠かず応えるトーマ。これによってミサも状況の推測を立てることが出来た。要するにチームの消耗速度が格段に上がったということだ。底に穴が空いて無秩序に流れ出す水のごとく、である。
「まっ……状況がわかったところでどうなるものでもないか……皆!とにかくここを死守よ」
 ミサの掛け声の直後、チームの背後に空から悪魔型の獣が急降下してきた。あの無茶な救出劇を思い出させる様相。発せられる奇声に気づく面々。
「なに!?」
 一瞬の出来事だった。チーム背後の地面に倒れるスピナー二人組のうちの細い方。悪魔型の額に突き刺さるレイチェルの指から伸びる光。
「全く……何やらせんだよ。この私に」

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