不妊治療開始〜終了までの各種数値(費用・期間等)振り返り
先日、胚移植を終え無事に心拍の確認もでき、不妊治療クリニックを卒業しました。いま分娩をする病院を探している段階です。一つ大きな区切りを迎えたため、ここでひとつ一連の数値をとりまとめてみたいと思います。
不妊治療に至った理由
入籍した時に、すぐに子を持つという決断ができなかったためです。入籍時33歳だったので、すぐに産まないとなると高齢出産になる可能性が高い、というか必ず高齢出産になると思ったからです。
主に仕事面が理由で、すぐに産めないと思っていました。まだ自分のスキルや経験に自信がなくて、もう少し仕事にコミットして頑張らないと自分が思い描いていた感じになれないと思っていたんですよね。当時私は、産休育休がものすごい「空白」に感じていました。大幅に遅れをとる、そんなイメージです。また育休明けも以前のようにフルコミットはできないわけだから、落ち着いてコミットできるまでに数年かかる。それも含めて「大きな空白」と感じていました。
なので、その空白が発生する前までに、自分の思い描く「ある程度の状態」になっておく必要があると考えました。ある程度の状態というのは、こんなことができている状態、年収がいくら以上、職級が⚪︎⚪︎以上、とかそんなところです。
そんなことを考えていた矢先、ふと卵子凍結という記事が目に入ってすぐに説明会に行ったわけです(結局説明を聞いて、入籍している私の場合は体外受精までさせた受精卵の凍結の方がよいとわかり、そちらに切り替えました)。
費用
早速、費用面を振り返ってみたいと思います。私自身の(大したことない)キャリアにしがみつくためにこんなに払ったんだ・・・と絶望するかもしれませんが向き合ってみたいと思います。
採卵してから凍結するまでが671,349円
(1年ごとに保管料が発生するので)凍結保管料143,620円
胚移植95,830円
妊娠判定までの経過観察診察料34,815円
合計945,614円
凍結保管あたりから保険適用での支払いが増えてきているので、後半戦は金額が下がってきています。採卵までが全て自費だったこともあり非常に高額ですね。
途中、私は子宮近くの別の器官に怪しい影が見えたため、MRIやCTを撮ったりしていて、その費用も入っています。何も問題ない人はこの費用はかかってきません。
しかし、金額を調べるために領収書をめくりながら、こんなにもたくさんクリニックに通ったんだな・・・と感慨深く、またよく頑張ったよと自分を褒めてやりたくなりました。自宅が東京郊外のため、都心のクリニックは遠かったのですが、よく仕事を調整してここまで通えたなと思います。コアタイムなしのフルフレックス・リモートワークだからこそできたことかもしれません。
そしてこの金額について高いと思うか許容できるかは人それぞれと思います。私は、意外と100万超えてなくてほっとしました。途中から保険適用になったのが大きいですね。
採卵してみようかと思い立った時、ちょうどコロナ禍だったので、海外旅行1-2回分(夫と含めて2人分)をこれに充てるみたいなイメージで決断したので、まあ想定通りくらいの金額ですかね。夫も私もフルタイムで働いているのでできたことでもあり、その仕事を守るためにこの費用が発生したということでもあります。
期間
先ほどの図を再掲。
2021年11月に、卵子凍結を思い立ち説明会へ行きました。
2022年2月に採卵(1回で21個ほど採れたため、1度で終了)し、凍結。
そこから2年弱凍結させておいて、2023年7月頃、胚移植を視野に入れ診察を受けに行きました。
(説明会から)採卵:3ヶ月
凍結期間:20ヶ月
(事前検査含め)胚移植:4ヶ月
計2年3ヶ月
胚移植しようと思って診察受けに行ってからが、思いの外時間かかりました。子宮付近の器官で要検査となってしまい、その検査で1.5ヶ月はロスしたと思います。今まで認識していなかった持病を発見できたので、ありがたい話でもあるのですが。
こういうことも見込んで早めに診察へ行くべきでしたが、まあこのくらいの計画の狂いは想定しておくべきだと思います。そんなに思い通りにはいかないです。
採卵数・AMH・HGC等
採卵数は21個(1回で終了)
体外受精し、凍結に至った受精卵は7個
胚移植は1回で着床成功
AMHは2021年11月時点で2.1、2023年7月時点では1.74
HGC、胚移植から10日目の初回の診察時で168、2回目の診察に10,000超
こう見ると、本当に幸運な結果だと思います。採卵も胚移植も1回で済みました。AMHは決して高くないですが、採卵時はまだ2.0をギリギリ上回っていたので、この時に迷わず採卵しておいて本当に良かったと思います。
最後に
通ったクリニックの先生の適切な治療により、非常に無駄のない、効率的な妊娠が実現できました。何度も通うのは大変だったし、上記の通りお金も掛かったけど、うまくいったからこそだと思いますが私は満足しています。
しかし、振り返ってみると自分は恵まれているのだと思わされます。こういうことに100万円を費やせる経済力が我が夫婦にはあったこと、平日に病院通いできるような仕事(フルフレックス・リモートワーク)に就いていたこと、比較的妊娠力のようなものが低くなく、すべての治療を1回で済ませられたこと。最後は体質なので自分の努力ではないですが、前者ふたつについては、ある意味で私が仕事をそれなりに頑張ってきた結果でもあります。その仕事へのこだわりのためにこの治療をした、ということでもあります。この経験を自分の中にしっかり刻んで、人生の選択肢を自分の力で広げ、いざその瞬間に自由な選択ができるようにしておくこと、そのために常に合理的な判断をしていくこと、これを肝に銘じて生き進めていきたいと思いました。