【相談事業】日本語に自信がないから…
いつもnoteをお読みいただきありがとうございます!
今日は最近受けた相談事例についてひとつご紹介いたします。
南米から来日して15年ほど経つナタリアさん。ナタリアさんはお菓子作りが得意なとても優しい女性です。いつもパーティーをするとクッキーを焼いてくれたり、ケーキを作ってくれたり、それはそれはいつも美味しいお菓子を持ってきてくれるのです。子どもが4人、仕事と育児に忙しい毎日です。
出会った当初は、上の二人の子どもが少し大きくなり時間の余裕がある時期でした。「日本語を勉強したい」と、漢字の教室へ行ったり、日本語のボランティア教室に行っていました。今は下のお子さんが二人生まれ、まだまだ小さいので日本語の勉強などに使える自分の時間が少ない毎日を過ごしています。でも、メッセージの返事は頑張って、ひらがなや漢字を使い返してくれるとても勉強熱心な人です。
そんなある日。ナタリアさんから電話がありました。
「ちょっと教えて。」少し恥ずかしそうに話し始めました。
「ごめんね。ちょっと教えてほしい。アルバイトの面接に受かったんですが、やっぱり断りたいです。なんと言えばいいですか?」
仕事を探していた彼女は2つのアルバイトの面接を受けていました。
ひとつは食品加工工場のライン。ここは外国人も多く働いているようでした。
二つめは検品のお仕事。ここには外国人はおらず、もし合格したら外国人は彼女だけ。日本語で書いてある伝票を読む作業もあるようでした。
実は二つとも合格の連絡をもらっていました。
「どちらを断るんですか?」
「日本語を使う方です。日本語に自信がないんです。」
「でも、日本語を使う仕事、チャンスじゃない?」
「無理だと思うんです。ちょっと今は自信がない。外国人もいないし。」
「そうかぁ、ちょっと残念な気もしますが…」
「電話で断る時なんと言いますか?」「もうひとつの仕事の方に行くんですね。それだと…」この後、電話越しで二人でアルバイトの断り方の練習をしました。
なかなか自分の日本語に自信が出ないナタリアさん。自信のなさから自ら選択肢を狭めてしまっていました。
私たちはこの相談を受け、日本語の勉強のサポートはもちろん、その日本語を使って、自分たちは「仕事ができる」という自信を持ってもらうことが必要であると感じました。
Adelanteでは飾り付けアイテムブランド「SOL LUNA」のPOP UP STOREを不定期ではありますが、開催しています。その取り組みの中で、外国人女性たちは、設営時は百貨店の従業員の皆様と、また、接客時にはお客様たちと日本語を使いながら仕事を進めています。日本人スタッフは彼女たちと伴走しながら、「できた」「やれた」を積み重ねられるようにサポートしています。小さな自信をどんどんつけてもらい、外国人スタッフのエンパワメントへと繋げています。
前回のPOP UP STOREでは子どもの体調不良で店頭に立つことができなかったナタリアさん。次回は必ずナタリアさんにも店頭に立ってもらおう。そうスタッフみんなで話しています。
たくさんの外国人女性たちと働けるように、たくさんの外国人女性のエンパワメントができるように、まだまだがんばります!
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