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ADDress2020まとめ〜トップ5の出来事を振り返る〜

2020年も残すところあと数日となりました。今朝(2020年12月27日)、TBSの「がっちりマンデー‼︎」で来年2021年に儲かるキーワードとして「マルチハビテーション(=多拠点居住)」が取り上げられ、ADDressもその中核サービスとして放送されました。また、不動産・住宅に関する総合情報サイト「SUUMO(スーモ)」でも、2021年の住まいトレンドの1つのキーワードとして「多拠点居住」のADDressを紹介してくれています。来年はまさに、多拠点生活がより身近なものとなるかもしれません。そんな注目の「多拠点生活」を提供するADDressが、ことし2020年の激動の1年を振り返り、来年への期待も含めてトップ5にまとめてみました。

5. コロナ禍での利用属性の大きな変化

2020年は新型コロナウイルスの年と言っても過言ではないでしょう。春先から感染拡大、緊急事態宣言で生活が一変しました。

感染予防策として企業のテレワーク化が一気に拡大したことで、都市部に住み続ける理由がなくなりました。特に、高い家賃を払い続けて都会のマンション・アパートに住んでいた20〜30代の会社員が、住み替えを希望してADDressに入会。会社やクライアント先に出向く機会がなくなったことで、誰とも会わず1人でずっと狭い空間に閉じこもって働く生活に耐えられなくなった・・という入会背景が目立つようになりました。

また、子どもや家族のいる会員も自宅でのテレワークの限界を感じて入会されたり、テレワークの影響で四六時中自宅に家族が揃う環境から逃れて気分転換をしたいという主婦層が入会されたり、職住分離から職住融合のライフスタイルに変化したことで、人々のこれまでのライフスタイルの価値観をガラリと変えました。

2019年時点では会社員会員はかなり少数派で、場所や時間を選ばず働くことのできるフリーランスや個人事業主が多数派だったのが、コロナ禍で構成逆転。いわゆる一般の会社員の利用が増えたことで、多拠点生活がより身近なものになりました。今後ワクチンが開発されてコロナが収束した時には、また元の生活に戻る方もいるかもしれませんが、通勤・オフィス運営コスト削減や対面対応の必要性を考えると、この先も多拠点生活の流れが止まることはないのではないかと推測しています。

4. 地方自治体との創生・共創事業の取り組み

神奈川県小田原市「民間まちづくり活動促進事業」の一環で小田原かまぼこ通り商店街の活性化に取り組み、元酒屋の空き店舗を「ADDress小田原A邸」として今春オープンしました。商店街の協議会とも話し合いを重ねて、近所のカフェオーナーである平井丈夫さんが家守に就任し、地域と会員の架け橋として地域コミュニティの要となり、大活躍されています。平井さんが定期的に開催している「ビーチクリーン」ボランティア活動にADDress会員も参加し、近隣住民と海岸の清掃活動をしました。その他、ギャラリーや軒先市をADDress小田原邸で開催し、地域交流を生んでいます。

また、佐賀県武雄市では7月に「多拠点居住促進制度」の公募をスタートし、全国に先駆けて、空き家を多拠点生活居住者対象に活用するオーナー支援制度に取り組みました。ADDressではこの制度に手を挙げたオーナーの中から採択者の物件を改修中で、2021年にオープンする準備を進めています。オーナーは改修費用の補助の他、竣工後はADDressへの物件提供による家賃収益が見込めるため、空き家運用がしやすいという利点があります。

ADDressが掲げる「関係人口」の取り組みとしては、熊本県多良木町との「たらぎつながるDAYS」。若者人口減少課題を抱える中山間地域の多良木町では、移住施策や企業誘致が難しいため、定期的に町と関わる人口(=関係人口)を増やすことで地域経済活性につなげたいという思いがありました。そこで、多良木町は同町の一般財団法人たらぎまちづくり推進機構とADDressとの共催という形で、ADDress会員・家守や多良木町の住民との交流事業を発足。ADDress多良木邸を舞台に、多良木の日常を一緒に体験し、「地方の当たり前の生活に溢れる魅力」を発信するワークショップの定期開催を実施しています。

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さらに、空き家率日本一の山梨県とADDressの取り組みも遂行中です。ADDressは「やまなし創生官民連携空き家活用事業」における「認定事業者」として、空き家活用マッチングプラットフォームに登録する物件情報(全27市町村の約13,000物件+県内不動産団体の約700社)の中から、ADDressに適した空き家情報を提供されます。リノベーションなどの改修費用の特別補助制度も交付されるため、空き家オーナーはADDressに物件提供することで、より多くの支援を享受できる仕組みとなっています。現在、候補物件の選定中で、2021年はこの制度から選定された空き家がADDress拠点としてオープンする予定です。

3. ANAやJRとのモビリティ事業連携

2020年1月にANAホールディングス株式会社(以下、ANA)と航空券のサブスクリプションサービスの実証実験開始を発表すると同時に、各種メディアで一斉に報道されて大きな注目を集めました。

3か月ごとに検証・実施をしており、ADDressの利用料金にオプション料金月額3万円から、ANAの国内線航空券が月4回(片道4回、往復2 回)利用できるというサービスです。この実証実験により、北海道や九州といった東京から遠距離のADDress拠点の利用が格段に増えました。ADDressは観光利用よりも生活利用の会員がメインユーザーであることから、ANAとの連携事業でも空いている平日の昼間の便が対象とされていたこともあり、コロナ禍でも混雑時間を避けた移動ができたことも優位に働きました。インバウンドなど観光ニーズがコロナ禍で縮小する中でも、ADDress地方物件の稼働率は上昇し、特に北海道拠点(札幌・小樽・富良野)は平均稼働率が8割超えを記録。「地方拠点で働き、住む」というスタイルがマッチし、会員の1拠点滞在平均日数も延びました。

ANAとは2021年1月からも引き続き実証実験を実施しますが、これまでのチケットに加えて、1か月2回利用プラン(月額2万円)も登場しました。

資本提携を結ぶJR東日本スタートアップ株式会社ともJR東日本「えきねっとポイント」還元プランを実施中で、ADDress会員を対象に最大半額相当の「えきねっとポイント」が付与されます。JR東日本管内のADDress拠点は全物件の約半数を占めるので、移動すれば移動するほどポイントが還元されるお得な取り組みとなっています。

また、JR西日本グループとも連携し、「JR西日本×住まいサブスク」の特別プランをADDress会員向けに提供しました。岡山2往復プラン、岡山・尾道各1往復プランの2種類を用意し、月額12,000円から山陽新幹線が利用可能。ADDressは首都圏を中心にエリア拡大に着手してきましたが、現在は山陽エリアの物件のみならず、大阪・京都・奈良の関西エリアにも展開しています。

2021年は日本中の飛行機・鉄道のみならず、バスや車などのさまざまな移動手段が定額制チケットの対象となるよう、各社との事業連携を進めていきたいと思っています。

2. 全国で目標の100拠点を達成

2019年に掲げていた2020年の事業計画として、2020年12月末までに100拠点を目指していました。この目標を前倒しして11月時点で達成。コロナ禍で休会制度を設けるなど、事業運営の難しさにも直面しましたが、ADDressの資金調達が目標以上の金額で達成できたこともあり、拠点開発費用に投下できたのが大きかったです。

これまで首都圏で構成していたADDress開発スタッフを関西にも広げるとともに、改修・設置・運用の各方面で事業パートナーを開拓し、拠点開発スピードが格段に改善されました。さらに、コロナ禍で観光客急減による運営維持に悩む全国のホテル・旅館・ゲストハウスなどに提携を呼び掛け、ADDressでも宿泊施設提携専門担当を設けて、拠点開発の選択肢を広げていきました。

ADDressは2021年12月末までに、300拠点達成を目標に掲げています。その前に、早い時期に全都道府県制覇の達成を見込んでいます。現在のところ、準備中拠点がある富山県・岐阜県・和歌山県・島根県・愛媛県・鹿児島県・沖縄県がオープン間近で控えていますが、石川県・愛知県・三重県・滋賀県・長崎県が未開の地となっています。空き家もしくは宿泊施設の提携を希望するオーナーさんがいましたら、以下までエントリーをお待ちしています。

1. ADDress会員と地域の関わり

ADDressのミッションでもある「#全国創生」実現のためには、都市か地方ではなく都市にも地方にも住めるライフスタイルの提供とともに、一過性の観光人口でもなく、ハードルの高い移住定住でもなく、多拠点生活による「関係人口の創出」が必要です。ADDressが目指す関係人口には決まった型はありません。会員・家守のライフスタイルに合わせて、地域と自身の関わり方を持ってもらうことです。まずはゆるくつながるところから始めて、本当に好きになったら「やりがい」や「生きがい」を感じる関わり方に深みを増していく。そんな十人十色の関係人口が、2020年はさまざまな地域で広がりました

自治体連携の事例でも紹介した熊本県多良木町では、ADDress会員のお子さんがデュアルスクール制度を活用して、多良木の子どもたちとの学校生活を体験しました。

また、会員自身もADDress多良木邸へ何度もリピート滞在する中で、地域住民との交流が育まれ、自身のスキルを活かした地域での教育事業として、2020年初頭に実施したWebライター講座の他、同12月にはドローン活用での撮影・編集・配信講座を展開し、町民の人材育成に貢献しています。

そして、ADDress会員を退会された方の中には、ADDress滞在を通して気に入った地域への移住を決めた方も多数輩出しました。例えば、熊本県宇城市に移住された元会員は、ADDress宇城邸の立地する商店街にある別の空き家をゲストハウスに改装中で、得意の語学スキルを活かしたインバウンド観光の受け入れを目指しているそうです。

北海道が気に入って、北海道への移住検討を相談されている会員もいます。

全国のADDressを転々とする中で、人と人をつなげる家守という存在に関心が高まったり、その地域や拠点が好きになったり、理由はさまざまですが、会員から家守に転身した人も多数輩出しました。

会員を継続しながら、地域で一緒に過ごすワーケーション仲間を増やしている方々も増えています。ADDressで共通の趣味友を見つけてサーフィンや釣りや農業に熱中したり、写真撮影を楽しむために地方拠点に仲間に号令をかけて集合したり。多拠点生活での出合いをきっかけに、生活の一部でゆるくつながる関係性は、日々の日常に刺激をもたらしているのではないかと思います。

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ADDressでは会員・家守・スタッフがもっとつながりやすくするために、2020年11月から部活動を発足しました。発起人が3名以上集まれば、部活としてADDressのSNS上で参加メンバーを募ることができます。現在、「カレー部」「映画部」「千葉部」「サウナ部」「山と〇〇部」「ゆるヨガ部」「日本酒部」「美容部」「エクストリームワーケーション部」「学生部」「ゆうき農業部」の11の部活が活動をしています。

部活という名称ではありますが、活動ルールはゆるいのが特徴。例えばカレー部の場合は、多拠点生活の中で自炊カレー画像や各地域の名物カレー画像を共有し合い、カレーを通した日々の生活を交換日記的に情報交換しています。また、エクストリームワーケーション部は、白馬邸家守を部長として、各地域の広大な自然や田舎感を「ワーケーション風景」として体験しながら撮影し、その模様を皆でシェアしています。クスッと笑ってしまう画像が、日々の生活に憩いを感じさせるとともに、その地へ訪問する興味喚起にもつながっています。

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部活動の特徴は、ADDressを退会してもずっとつながっていられるコミュニティである点です。たとえ会員を辞めてもその地域や仲間とつながり続けることで、多拠点生活や地域生活の発展に寄与し、地方を盛り上げていくことが活動の目的だからです。

ADDressの中には、オーナー兼家守もいますし、家族の家を提供した会員もいます

ADDress拠点のある地域で仕事を受注し、地域インフラ整備に取り組む会員、まちづくり事業やコミュニティ立ち上げを担う会員など地域ビジネスに着手する事例は枚挙にいとまがありません。

2021年、ADDress会員の皆さんが全国各地でどのような活動の幅を広げられるのか。ADDress拠点からどのようなストーリーが展開されていくのか。私個人としても具体的な目標をひっそり掲げていますが、来年の皆さんの多拠点生活を聞ける日が今から待ち遠しく感じます。

それでは皆さん、良いお年をお迎えください!

ADDressコミュニティの皆さんのADDress生活は、SNSのハッシュタグ「#ADDressLife」にて投稿されています。ぜひチェックしてみてください。また、「#ADDressLife」ハッシュタグでの投稿もよろしくお願いします。

【文・ADDress 取締役 桜井里子】

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