ADDressの会員さんたちと一緒に暮らしてみて〜2021年春の出合い〜
多拠点生活プラットフォーム「ADDress」をスタートして2021年4月で3年目を迎えました。私はADDress二子玉川の家守も兼務しているので、これまで二子玉川邸で出合った会員さんは、のべ300名以上います。
年齢も出身もお仕事や多拠点生活を始めたきっかけなど、多種多様な人との毎日の共同生活はとても刺激的です。ただ、私は仕事柄地方出張が多く、月の半分ほどは東京不在。二子玉川の家には、愛ちゃんというフリーランスの看護師さんのサブ家守がいるので、チーム体制で会員さんと対応しています。1年前に募ったサブ家守さんの応募には複数エントリーがありましたが、愛ちゃんは即決採用でした。小さな子どもから高齢の会員まで、真心持って丁寧に対応してくれてとても助かっています。
訪れる会員さんによく聞かれるのは、「どの家がおすすめか?」と「どんな会員さんが利用しているのですか?」の2点。おすすめの家はありすぎて答えるのが難しいです。一人で静かに過ごしたいのか、交流を楽しみたいのか、アクティビティをしたいのかなど、その時の利用目的や気分によっても異なるからです。目的に応じて家を選べるのもADDressの魅力だと思います。「どんな気分でどんな過ごし方をしたいのか」が分かれば、もちろん推薦します。
ライフステージに合わせた多拠点生活
どんな会員さんが利用しているのですか?
という質問も多いのですが、ここでは具体的なお名前は控えて、この春にお会いした会員さんについて紹介します。必ずしも二子玉川の家ではなく、私の旅先のADDressの家も含みます。
1. 主な家を解約してADDressだけで生活する20〜40代の単身者
私がお会いして圧倒的に多かったのが、この方々です。勤務先がテレワークOKの会社員やフリーランスで働く会員さん。多拠点生活をするために思い切ってアパートを解約し、ADDressに入会して来られたと話す人が、この春は特に多い印象でした。年度の切り替えタイミングで住み替えをされた人が一定数いたのかと思います。
会社員の場合は、技術系よりも事務・管理系の職種が増えた印象がします。フルリモートというよりも、月に何回かは出社する必要があると回答される人もそれなりにいました。滞在中はほとんど外出せず、家で仕事に集中されています。フリーランスは、コーチングやコンサルティングの人が多く、インターネットとパソコンがあればどこでも働ける職種です。
ADDressは休会制度を設けており、現状のコロナ禍で休会中の会員も普段より多めです。都心から少し離れた家の予約は比較的取りやすい現状です。ただ、主な住まいを遠方のご実家などに登録される場合、特に都心近郊の予約が取れなかった時のリスクは避けられません。基本料金(44,000円)に追加で月額16,500円〜自分だけの専用ベッドを契約できるオプションプランがあります。料金が固定していないのは、立地条件や部屋タイプ(ドミトリーか個室)によって異なるからです。
専用ベッドがあれば予約なしでいつでも帰れるマイホームをADDressの家に持つことができ、住民票の登録も可能です。安心して多拠点生活を楽しむために、入会したら気になる専用ベッドのある家に滞在してみるのもオススメです。家守さんやそこに住む他の会員さん、家の雰囲気などを知ることができます。季節ごとに専用ベッドを変更することも可能です。
2. 家族がいて時々同伴で利用、普段は単身でテレワーク利用
夫や妻や子どもがいる家族会員も割と多いです。
毎回家族と同伴利用する人も中にはいますが、それよりも単身利用と家族同伴利用を使い分けながら多拠点生活をされている人に、私は度々遭遇しています。主な家は賃貸や購入マンション(もしくは一軒家)で、平日の数日間をADDressで単身利用し、週末は家族と自宅で過ごしたり、家族同伴でADDressを利用したり。
コロナ禍で東京都心では特にテレワークが一気に広がったことで、24時間家族とだけ一緒に過ごす生活になった人が増え、リフレッシュ目的や新たなコミュニティを見つけるために入会されたようです。テレワークで働く環境が変わった人にとっては、普段の家族との生活環境も大きく変化したのだと思います。家族とずっと一緒に過ごすのも楽しいけれど、あまりに近い空間だと時々息苦しさを感じてしまうことがあるのかもしれません。
中には「家族のあり方は、今後変わっていくと思います」と明言し、家族と共にADDressを活用しながら「これからの家族のライフスタイル」をテーマに家族皆さんで研究している会社員の会員さんもいます(今後、夫婦共同執筆で書籍化も検討するそうです)。
主婦(主夫)会員さんもいます。
彼らは皆一様に、「夫(妻)と子どもがテレワーク(またはオンライン授業)になり、家族が1日中家にいることになったので私の居場所が狭まりました。程よい距離感が欲しくて」と入会目的を話してくれました。ADDressは二親等(兄弟、祖父母、孫)までなら無料で同伴利用ができます(婚姻関係がなくても、恋人やお友達、同僚など固定のパートナーも1名まで無料で同伴利用可)※。配偶者や子どもも、ADDressの多拠点生活に気軽に誘いやすいのが特長です。
※2022年7月1日以降は、ご家族・ご友人合計5名まで追加費用なしでご利用いただけます。(6名以上は追加費用が必要です)
3. 退職・引退・婚姻関係解消など、人生とキャリアを見つめ直す人
この春お会いした人で密かに多いのが、退職や引退などキャリア変更と同時にADDressで多拠点生活を始めた会員さんです。この週末だけでも2名、お会いしました。1名は定年退職者、もう1名は早期退職者でした。早期退職した会員さんは、次の仕事を始めるまで一度生活を見直すために、多拠点生活をしながら心の整理をしているそうです。30年間働き詰めでほとんど休んだことがなく、疲れが溜まってしまったと話していました。ADDressで多拠点生活をしながら、さまざまな地域で暮らすことで新しい出合いがあり、毎日のんびり楽しく過ごしているそうです。
春は年度切り替えのタイミングということもあり、定年退職してADDressを利用される人にお会いする機会も増えています。ただ、完全に引退するのではなく、業務委託で仕事を請け負っている人もそれなりにいます。人生100年時代と言われる世の中なので、定年退職してもまだまだ働ける人は多いです。今の定年退職世代の人たちはパソコンを使いこなせるので、テレワークで時々仕事を請け負いながらの多拠点生活も実現可能なのだと思いました。
新たな人生、「関係」に区切りを打って多拠点生活を始める人にもしばしばお会いします。同棲生活の解消、離婚。生活自体が大きく変わり、住まいを変えてADDressを始めた人たちです。その中には、購入した自宅を整理することになり、一人暮らしでスペースを持て余しているいう声も聞きます。ご自身が所有する家に住みながら、空いている個室を他の会員に貸し出す「空き部屋貸しプラン」もスタートしました。共同の多拠点生活が好きな人であれば、ADDressに貸し出すことで家賃収益を得られるのと、さまざまな属性の人たちとの会話や交流が楽しめるので一石二鳥です。
一方で、婚約中のカップルやこれから同棲をしようと考えているカップルがADDressに入会し、先述の「専用ベッド(個室タイプ)」の契約先物件を物色しながら2名で多拠点生活をスタートした人たちもいます。いきなり一緒に住み始まる前に、「お試し同居」としてADDressを使ってさまざまな地域で暮らしてみることで、お互いが求めている立地や生活環境を確認し合うことができます。
このように、ライフステージに合わせて年代も属性も異なる会員さんが多いですが、大きく分けると「単身テレワーク利用」「家族との時々別居利用」「人生転換期のリフレッシュ利用」といった3タイプ。ただ、冒頭にも説明したように、私は家守としてこれまでのべ300名以上の会員さんと二子玉川の家で接し、他の物件を入れると間違いなくのべ400名以上の人たちと直接会い、一緒に生活をしました。
自転車やバイクやキャンピングカーに全財産を詰め込んで、日本中を旅する会員さんにも会いました。また、得意なスキルを活かして各地域で仕事を請け負い、移動生活を続けている人。さらには、移住先を見つけて退会した人。一度退会したけど、働く環境の変化で再び会員に戻ってきた人。人生は多種多様であり、生活も多種多様です。いろんな生き方があります。自分とは違う生き方をしている人との交流は、自分自身の人生に大きな刺激をもたらします。このサービスに関わって良かった、と思っています。
【文/ADDress取締役&二子玉川家守・桜井】