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東京・雑司が谷で時々こじんまり住む〜地方会員の受け皿として〜

多拠点コリビングサービスADDressは、特に地方における人口減少や空き家課題の解消を目指すことをミッションとしています。北は北海道から南は沖縄まで、2021年1月時点で全国120箇所の家を提供しています。

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残念ながら、東京都心に住み続けたいという方は、ADDressには向いていません。時々「東京にも物件はありますか?」「東京に月4万円で住みたいです」というお問い合わせをいただきますが、ADDressは東京定住を希望する方にマッチするサービスではないです。そういう方には、東京23区に数多あるシェアハウスをお薦めしています。

しかしながら、ADDressにも東京23区内にいくつか家を展開しています。東京は日本一のビジネス街なので、東京を営業拠点として活動されている地方在住の会員も少なくありません。ADDressがあれば地方の家を解約してまで東京に引っ越しする必要がなく、地方をメインの住まいとして住み続けることができます。ADDress東京は、地方の人口転出抑制対策としての住まいでもあるのです。

東京都心(23区内)にある家は宿泊施設の提携物件が多いですが、ADDressが自社管理している家も3つあります。世田谷区の二子玉川邸、江戸川区の平井邸、そして豊島区の雑司が谷邸です。今回は雑司が谷邸をご紹介します。

家の中心に「ちゃぶ台」があるほっこりする家

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ADDress雑司が谷邸は2DKのこじんまりした戸建て物件であることから、利用できる人数が限られます。家の機能性も考慮して、現在は女性専用ドミトリーとなっています。ただし、2021年3月の家守交替を機に、男女兼用の家(専用ベッド無し、予約ベッドのみ)として新たに展開する予定で準備をしています。予約スタート時期については、ADDressサポートから会員対象にご連絡しますので、楽しみにお待ちください。

雑司が谷邸は長屋の一角の2階戸建てです。玄関前のグラフィティアートが目印になります。

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住宅が密集した細い路地の中に建っています。1台分の自転車置き場はありますが、駐車場はありません。近隣のakippaが1日1,000円程度で借りらるので、車でお越しの際はそちらを利用するのがお得です。

玄関を開けると、小さなスペースに家守さん好みの可愛らしい絵画と生花が出迎えてくれます。ほっこりする空間です。

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玄関隣には、この家を象徴する「ちゃぶ台」が和室の中央に置かれていて、雑司が谷邸を訪れる会員の憩いの場となっています。

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昭和の昔懐かしい『サザエさん』の世界に入り込んだような、実家に帰ってきたような不思議な安心感があります。

このちゃぶ台には和食が似合います。
朝食は家守さんに気を使わせてしまいまして、ご用意していただきました。メニューは、家守さんが鍋で炊いたご飯とワカメたっぷりの味噌汁、出し巻き卵に白菜のお漬物、生姜を添えた酢の物です。ちゃぶ台朝食は絵になりますし、優しい味で朝から幸せな気分に浸りました。

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このちゃぶ台のある部屋には、元々あった押し入れの扉を取り除き、「棚」として活用しています。こちらも家守さんのセンスが生かされていて、さまざまなジャンルの書籍や雑司が谷の近隣情報、会員さんが書き残した温かい手紙やメッセージなどが飾られています。

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ちゃぶ台のある共有スペースの隣はキッチンと浴室・トイレがあります。小さな戸建て物件なので、キッチンの広さもこじんまりしていますが、スペースを最大限に活用し、機能的な空間となっています。

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キッチンの収納の工夫が至る所に見られます。東京都心はアパート・マンション含めて狭小住宅が多いので、家守さんのスペース使用術は皆さんの生活に取り入れる際の参考にもなると思います。

寝室は2階で、個室とドミトリーベッドの計2部屋があります。
ドミトリーベッドの部屋にあった収納スペースの襖も取り外し、オープンなクローゼットにしました。荷物や洋服も置きやすいです。何よりも襖がないので奥行きが出て、窮屈さが薄まりました。ベランダも隣接しているので、外からの光も射し込んで明るい部屋です。

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ベランダはリネンや布団も干せるスペースがあり、滞在中に洗濯物を干すには十分な広さです。近所にコインランドリーもありますが、天気が良い日は外干しするのがお薦めです。

階段前の小さなスペースには、机と椅子が置かれています。

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ドミトリーベッドの部屋は純粋に寝るための部屋の作りになっているので、デスクワークをする際はこちらの机と椅子を利用するか、階下のちゃぶ台のある和室を利用するか、どちらかになります。

雑司ヶ谷の家は、昭和時代にたくさん見られた東京都心の狭小長屋戸建て住宅です。地方の物件では、なかなか目にする機会は少ないのではないかと思います。時々東京生活で、普段とは違う日常体験ができる家です。

綺麗好きな家守さんの管理が行き届いたピッカピカの家は、とても快適な住まいです。3月に就任する新しい家守さんは、女性から男性にバトンタッチされますが、新家守さんもとても綺麗好きな好青年。実はお二人とも保育士さんでもあります。家守さんの細やかな気配りが、そのまま雑司が谷の家にも反映されていて、今後もそうあり続けていくと思います。

古き良き東京の歴史が垣間見られる独特な地域

雑司が谷邸の周辺は歴史的な建造物や観光名所も多いので、まち歩きが好きな方にはたまらない地域です。

雑司が谷邸から徒歩1〜2分の「雑司が谷公園」は、綺麗に整備された芝生のある公園です。

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この公園を越えて歩くこと5分で鬼子母神堂にたどり着きます。鬼子母神堂大門をくぐり抜けて数メートル進んだ右手の路地裏には、漫画家の手塚治虫が住んでいた「並木ハウス」(=画像下)が見えます。登録有形文化財に指定されています。

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この日はとても天気が良かったので、近所の猫が2階の窓の下でのんびり昼寝をしていました。

鬼子母神の参道には立派なけやき並木が立ち並び、古いもので樹齢400年にもなるそうです。鬼子母神は安産・子育(こやす)の神様として広く信仰の対象となっています。

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家守さんお薦めのカフェが、鬼子母神堂のすぐ近くにあります。

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「yurucafe(ゆるかふぇ)」は1階が飲食スペース、2階はコミュニティスペースになっています。店主こだわりのカレー、ハンバーグ、オムライス、パスタが食べられます。この日はタリアテッレのカルボナーラをいただきました。クリームソースがさっぱり風味で食べやすく、美味しかったです。

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yurucafeは毎月1回、2階のコミュニティスペースで映画上映をするなど、イベントも開催されているようです。

雑司が谷の家から鬼子母神堂とは反対方向にも、趣のあるまち歩きスポットがあります。

身体を動かしたい!気分転換に走りたい!という人は、走って5分程の目白台運動公園に行きましょう。ここは豊島区ではなく文京区になります。

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小さな公園なので1周しても460メートルですが、信号機など遮るものがないので、目指す距離をぐるぐる周りながらジョギングすれば、いい運動になります。私も朝、この公園をぐるぐるジョギングしました。

目白台運動公園の隣には、肥後細川庭園があります。

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この時期は、松聲閣(しょうせいかく)前庭の紅梅の花が咲き、美しい庭園を一層引き立てていました。

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松聲閣(しょうせいかく)は、旧熊本藩細川家下屋敷のあった地で、細川家の学問所として使用されていました。大正時代に改築を行い、一時期は細川家の住まいとして使用され、第79代内閣総理大臣・細川護熙氏もかつて住んだことがあるそうです。

現在は地域に開けた場所となっていて、各種イベントを催すこともできます。ADDress会員さんもこの場所を借りて、イベントを主催されました。

また、風流ある庭園を眺めながらお茶もできます。

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目白通り沿いをさらに進むと、左手に一際目を引く巨大な建築物が目に飛び込んできます。世界的な建築家・丹下健三が手掛けた「東京カテドラル聖マリア大聖堂」です。

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大聖堂も一般公開をしているので、中に入ることができます。高い天井(天窓)から降り注ぐ光が、とても神秘的でした。

雑司が谷の家から最も近い「雑司が谷音楽堂」も穴場スポットです。最大席数70名の小さな音楽ホールですが、時々コンサートが催されています。公式サイトにスケジュールがアップされるのでチェックしてみてください。

私が滞在した日はスケジュールに掲載されていないイベントが開催されていました。『冬の音楽祭』と題した無料コンサートで、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、ギター、チェロ、フルートといった楽器の演奏家が集い、素晴らしいクラシック音楽の演奏を聴けました。

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雑司が谷は散策だけではなく、飲食店も豊富にあり、グルメを楽しむことができます。その中でも、家守さんに聞いた雑司が谷邸近隣お薦め店舗の筆頭は、『魚栄(うおえい)』さん。インターネットのレビューには「東京で最高クラスの街の魚屋さん」と書かれています。

質、値段ともに大満足間違い無しのお魚屋さんだそうです。この地域の住民の行きつけ店舗とのことで、雑司が谷の家に滞在する際はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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ADDressは「都市に住むだけではなく、都市にも地方にも住む」という新しいライフスタイルを提案しています。雑司が谷の家は特に、地方に住む会員の多拠点先受け皿として、ADDressが始まった初年度からオープンしてきました。古き良き東京が色濃く残る雑司が谷の町で、時々こじんまりな生活も楽しいですよ。

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