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旧東海道の宿場町「蒲原(かんばら)」で多拠点生活〜静岡・蒲原邸〜

ADDress静岡用宗邸を後にして車で40分、電車でもJR東海道線「用宗」駅から「新蒲原」駅まで40分弱のADDress蒲原邸に向かいました。

「用宗(もちむね)」も難しい地名ですが、蒲原も。「かんばら」と読みます。ちなみに静岡ADDressには「榛原」と書いて「はいばら」と読む家もあります。もちむね、かんばら、はいばら。特に、蒲原(かんばら)と榛原(はいばら)は間違え易いので注意!

さて、今回は「蒲原(かんばら)邸」の滞在記です。

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この物件は「バックパッカーズホステル燕之宿」との宿泊施設連携物件です。ADDressは2部屋を借りています。いずれの個室もドミトリーベッドタイプですが、ユニークなのは「畳」であること。

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1名利用でも1部屋占有して利用できます。各ドミトリーは2.5畳程あり、広さは十分!畳特有のイグサの匂いがリラックスできる空間となっています。セキュリティBOXも備わっているのと、各個室には机と椅子があるので、機密性の伴うオンライン会議も可能です。

共有スペースは板張りの洋間で、窓からの光が射し込む明るい部屋。ADDress会員が複数人いても、作業するには全く問題ない広さです。

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この物件のオーナー兼家守の大澤康正さんは、長崎県壱岐島出身の移住者。数年前に初めてこの地を訪れた時、旧東海道の趣ある町の雰囲気に魅了されたと言います。その時の記憶がずっと心の奥底にあり、巡り巡って引き寄せられるようにこの地に再び戻られ、ご家族とこの地に根を下ろし、ご近所に暮らしています。

「燕之宿」ことADDress蒲原(かんばら)邸の隣は「志田邸」という築200年の醤油醸造蔵で、登録有形文化財に指定されています。

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表の通り沿いから見た「志田邸(=画像上)」です。

ADDress蒲原邸は、この志田邸の中庭に面して隣り合っています。

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中庭を奥に進むと左手に農機具の蔵、一番奥に醤油製造蔵があります。

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オーナーで家守の大澤さんは、この醤油醸造蔵を新しい形で保存・活用し、ADDress会員など外から来る滞在者や宿泊者と地域住民の交流の場とするべく、修繕費用をクラウドファンディングで募られました。見事に達成されています!

2021年2月2日の現時点で、新型コロナウイルスの収束がまだまだ見えないこともあり、観光・宿泊業の展開は大変難しいと大澤さんは言います。非常に厳しい状況ではありますが、笑顔で滞在者と接し、この地域の魅力を語ってくれる姿は頼もしく、今後の展開が楽しみでなりません(※画像下=camp-fireに掲載されている大澤さんの写真、2020年2月「燕之宿」オープン時)。

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ADDress蒲原邸の滞在2日目、この日がADDress生活1日目という名古屋から来られた会員さんと出合いました。なぜ、旅しながら生活するの?これからどんなことをしたいの?など、話は尽きず、気付けば深夜の時間帯に。

滞在中、家守の大澤さんが地元料理を紹介・提供してくれました。私も近所のカレー屋さんで買ってきた一品を提供し、お互いの飲食を取り分け交換しながら、家の中でのんびりした食事と会話を楽しみました。

こちらは静岡名物の「黒はんぺん」。ビールのつまみにとっても合います。

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そして、豆腐の上に乗っているのが「いわし削り節」。お酒のアテでいただきましたが、ご飯に乗せたりお味噌汁の出汁にしたりするのも最適です。

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そしてこちらは、「イルカのすまし」。脂身なので「鯨ベーコン」のような食感です。

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いずれもご当時グルメで、家守の大澤さんの解説を聞きながら、初めて食べました。日本各地、郷土料理の形はさまざま。食の新発見も多拠点生活の楽しみの一つです。

ADDress蒲原(かんばら)邸は旧東海道の宿場町に位置しており、歴史的建造物も多く、街歩きにもオススメです。家から100メートル程のところには、国登録有形文化財の「旧五十嵐歯科医院」(=画像下)があり、現在はギャラリーとしてアート作品が展示されています。営業時間内であれば、無料で内覧できます。

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近江八景が描かれた欄間(=画像下)は見応えあります。

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元々の診療所は2階で、当時の診察台が展示されています。

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富士市側に向かって街道を歩いていくと、八坂神社が左手に見えてきます。神社を抜けると裏山にハイキングコースがあり、徒歩15分程度で「さくらつり橋」、さらに15分登ると「御殿山広場」があります。

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登り易く整備されているので、ふらっと散歩するのにオススメ。さくらつり橋手前から太平洋を見渡す景観も素晴らしいです。

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蒲原は「隠れスポットを味わう」町ではないか、と思います。車で通り過ぎるだけでは知ることができなかった、五感に触れる滞在でした。町に派手さがないところが魅力であり、じっくり荷を下ろしてこの地に滞在することで、「奥行き」を体験できます。街で出合った地元の人たちも親切でした。

江戸時代から旅人が行き交っていた街「蒲原」は、東西から来る人たちの交流地点。ADDress蒲原邸「燕之宿」が、令和時代の「旅人コミュニティ」発信の地となっていくのではないかと思います。

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