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他人との共同生活でトラブルを複雑にしないために

皆さん、こんにちは。
ADDress二子玉川家守の桜井です。ADDressの共同創業者でもありスタッフでもあります。

2019年から家守として、家族でも親戚でもない「初顔」の人との共同生活を送っています。これまでお会いした会員さんは、のべ500名は優に超えます。

軽く挨拶を交わす程度の交流から、一緒に食事をしたり出掛けたりするくらい、気が合う会員さんもいます。過去にもエントリーしましたが、シェアハウス経験皆無からのADDress生活だったのに、いきなり「家守」として迎え入れる側の立場になり、不安もそれなりにありました。

あれから3年。
だいぶこの奇妙で新鮮で愉快な生活にも慣れてきました。たぶん、元の暮らしには戻れないのではないか、とさえ思います。

これまでを振り返り、私は家守・利用者(会員)・運営の3つの立場から、システムだけではない「流動的な現場対応」の大切さも感じるようになっています。

ADDressにはカスタマーサクセス&カスタマーサポート部門があり、会員・家守からの問い合わせに24時間体制で対応しています。設備のトラブルもあれば、コミュニケーション上のトラブルもあります。何かあれば、第3者の立場から対応にあたります。

私が3年間このサービスを続けてきて、人と人が交流する(つながる)サービスという特性上、現場で解決しなければどうにもならないことも多々あるということを実感しました。

そのために、「真心を持って伝えること」は必要だと思っています。

「相手は私のことを知らないし、私も相手のことを知らない」という前提に立つことがはじめの一歩だと思います。「これくらい分かって常識だろう」と思い込むことは危険です。出身も生活環境も年代も職種も異なる人たちが、自分と全く同じ価値観で生きているとは限らないからです。「相手は知らないし気づいていないだろうから、教えてあげよう」というスタンスを持つことで、誤解やトラブルも避けられるのではないでしょうか。

教えてあげる際、「どう伝えるか」も肝心です。
自分の価値観を押し付けるのではなく、まずは自分の心を落ち着かせた上で伝えながら、先方の言い分も聞ける余裕が欲しいところです。

私も反省点として、もう少し柔らかく伝えてあげれば良かった・・・と後悔することも多々ありました。夜間のオンラインミーティングの音が気になったときなど、ストレートに注意をしてしまいますが、「遅くまでお仕事お疲れさまです。ただ、大変恐縮ですが、お休みになっている会員もいるので、イヤホンをするか音量を下げてもらえると助かります」と伝えるなど、思いやりある言葉を一言でも挿入することで、きついトーンが少しは解消されます。

もっとも避けるべきは、我慢すること。
ADDressは1週間単位で転々と多拠点生活をするサービスの特性上、これが一番の解決策だと思っている人も少なくないのではないかと思っています。
せいぜい1週間我慢すれば、生活がまたリセットされるからです。

しかし、我慢の連続は自身もつらいし、指摘されない相手もつらい境遇を歩むことになります。その時一人が我慢しても、誰かがまた我慢を強いられる可能性もあるからです。
家守の立場としては、「他の家では何も言われなかったので問題ないと思っていました」と言われるのもつらいです。なぜ、誰も言わなかったのだろうか、と悲しくなります。

我慢の連鎖は、人を幸せにはしないと思っています。
価値観のさまざまな他人との共同生活では、「真心を持って伝える」ことがお互いの距離感を縮める手法の一つです。

言いづらいときには、ADDressのサポートに連絡する手段もあります。
ただ一つ想像して欲しいのは、第3者が介入することで余計にこじれる関係も多々あるということです。ADDressに限らず、日常でも思い出すことがあるのではないでしょうか。直接言われず、間接的に注意をされることの方が、より深く傷つくし相手にも嫌悪されてしまうものです。

少なくともADDressの会員・家守さんは、他人との共同生活を前向きに捉えて利用しているので、敵意をむき出しで接するような人はいません。
皆、心根の優しい人ばかりです。
ただ、価値観がちょっと異なる人もいるということを忘れてはならないと思います。真心を持って伝えれば、理解してもらえるはずです。私自身の体験からもそう信じています。

もう1つ、とても大切なことがあります。

「緊張感を捨て切らず、慣れ過ぎず」というスタンスも、他人との共同生活には欠かせません。緊張感が全くなくなって、普段の暮らしに慣れてしまうと、「相手は分かってくれているだろう」と勝手に思い込み、困らせていることにも気づかなくなります。

これはADDressに限らず、家族の間でも同じではないでしょうか。「親しき仲にも礼儀あり」ですね。

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2019年4月の11物件から、2022年1月時点で210超の物件に増え、家守も増え、会員も急増しています。同じサービスをさまざまな価値観や属性の人たちが利用しています。自分との共通点を見つけて仲良くなることもあると思いますし、自分と違うからこそ仲が深まることもあるかもしれません。

これからの出会いで、お互い楽しく共に生活するために、「真心を持って伝える」「緊張感を捨て切らず、慣れ過ぎず」の心境で私自身、多拠点生活を続けていく所存です。これは、まずは自分自身へ戒めの言葉でもあります。

2022年も皆さんにどこかでお会いできるのを心待ちにしています!


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