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「東京貧困女子。」から見るリアルな世界

こんにちは。赤です。
以前私はこのようにツイートしました。

以前から気になっていた「東京貧困女子。」という漫画を読みました。(原作は書籍です)Amazonのレビューに「あり得ない」「リアリティがない」などとあり、私も流石に少しはそう思うこともありますが、一歩歯車が狂えばその世界に落ちていく可能性も十分あると思える内容でした。
今回はこの作品から感じたことを書いていきたいと思います。

自力で状況を克服しようという思考

話の中に何人も大学生が出てきますが、みんな家計が苦しかったり、親にこれ以上頼れない状況で進学したのだからと、自分で頑張ってアルバイトをして、足りない学費や生活費を稼ごうとします。親が教育ローンや親戚にお金を借りたりする描写がありません。奨学金も借りられますが、正直それだけじゃ足りないのも事実でしょう。
しかし、その「自力で状況を克服しよう」思考がとても危険で、悪い人に搾取される原因になるのだと思います。みんな図々しくなく、素直で頑張り屋がゆえ、一人で抱え込んでしまう。
学生バイトでの収入には限界があり、授業や付き合いなどにも、もちろんお金がかかります。短期間で大金を得るための手段として、体を売ってしまう状況に追い込まれるのも、きっと珍しいケースではないと思えます。

助けてと言えない

親と同居していたり、恋人や友人がいたりと、普通の大学生ですが、恵まれた環境の子と比べるとどうしても不自由だったり辛い思いをしています。でも大学に通うなら、その環境の中でもやっていかなくてはいけません。

周りは新しい綺麗な服を着ていたり、部活の用具も綺麗なのに、自分だけ使い古しでボロボロ、なんて描写がありましたが、そのようなことの積み重ねが精神的に苦しくて、「もっとお金が欲しい」となるのも当然だと思います。

お金がないのなら部活を辞めるべきという意見もあるでしょうが、それは状況が違うから思えることでしょう。部活やサークルを辞める人なんて、大学入学当初を過ぎるとたくさんいますが、新入生の子は世界が狭いので「今入っておかないと!」という気持ちになると思います。

後から思えば、いらない人間関係に時間とお金を使ったのは無駄だったなとか、高い学費を払って大学に行かなくてよかったかも、なんて思うことはあるかもしれませんが、現役大学生なんて、人生の経験値としてはまだあまりに少なく、何を捨てるべきかもわかりません。捨ててしまったら後から取り戻せないことは恐怖です。その場をなんとかしたいと思うのも当然です。

大学を辞めたら、就活も不利で生涯年収に影響が出るかもしれない、履歴書が汚れてしまい印象が悪くなるかもしれない、足りないお金をアルバイトで賄えないのは努力が足りないとみなされてしまうかもしれない、など色んな可能性が想定できます。

お金が得られることで、何かが解決できるなら手段を選ばないと思ってしまうくらい、追い詰められている人が見えないところにいることを、私は「こんな話あり得ない」という言葉で済ますことができません。

シングルマザー・派遣社員の件

大学生以外にも、シングルマザーや派遣社員の話も出てきます。
二人に共通することは、結婚相手がモラハラ・やばいやつってことです。
どこかで気付かなかったんだろうか?とも思ったり、現実的にそんなやつに引っかかる女性側もどうなんだろうって思うけど、その辺のエピソードは書かれていませんので、特に触れません。

派遣社員の話の件は、正直駄作だと思ってしました。
給料振り込み口座は本人の口座が原則で、夫の口座にすることはできないはずですし、派遣先の仕事がクソで理不尽なら派遣元に相談もできるはず。就業時が独身なら、嫌な仕事ならさっさと辞めればいい。あからさま派遣社員に「代わりはいくらでもいる」なんていう会社はブラック企業で、派遣の人をちゃんと扱わない企業に対して普通の派遣会社は人を派遣しません。
就職氷河期と言いますが、変な正社員になるより、非正規でもその代わりしんどくなくてとりあえず生活できる程度の収入の仕事はあると思う。


シングルマザーの話は、色々可哀想だと思うけど、両親にもっと頼るとか、生活保護を受けるために車を手放して条件を揃えるとか、他の相談所を探すとか、スマホのある生活の割にどうなんだろうと思うところもあります。養育費を途中まで払っていたんだから、とことん突き詰めて裁判だのできないのでしょうか?
(私がシングルマザーでもなく、母子家庭でもないので、理解が及ばなかったらすみません)
しかし、子供達がグレる事なく頑張ってくれていたので、ちょっと泣きそうでした。

あくまでこの話の漫画の世界ですが、現実どこかであるのかもしれないと思うと、ショックでした。自分が大学生時代も、もしかしたら身近な子がこんな風になっていたかもしれません。
貧困をエンタメとして扱い消化していくのではなく、この社会構造がどこかで是正されないと、若者や女性が生きづらいままで、日本は世界的に見て豊かな国ではなくなると思います。外資の企業が、観光地や企業を買収していくように、人々も都合よく侵略されていくかもしれません。

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