応急手当てで命を守る【心臓震盪編】
脳震盪の発生頻度に比べると稀ではあるが、若年者の突然死の一つとして心臓震盪というものがある。
心臓震盪とは外部的要因により心室細動になることで
衝撃の力によって心臓が止まってしまうのではなく心臓の動きの中であるタイミング(専門的にはT波の頂点の直前)で衝撃が加わった時に、致死的な不整脈が発生してしまうことが原因と言われている。
心臓震盪はそれまで元気で、何の病気もなく心電図検査やレントゲン検査で異常のなかった若年者に起こる恐れがあるため発生リスクを予測することは出来ないが、発生しやすいスポーツはわかっているためこれらのスポーツを実施する者たちには注意喚起が必要となる。
このグラフを見ればわかるように、硬式野球ボールと軟式野球ボールでは硬式野球ボールの方が発生数が多くなっている。
これは硬式球のほうが前胸部へ加わった衝撃が心臓へ伝わりやすいからであると考えられる。
胸郭の柔らかい小中学生までは硬式球を使用しない、もしくは使用するのであれば胸部プロテクターの装着を考慮すべきであろう。
頭部を危険から守るのと同様に前胸部を守ることも心がけていきたい。
健康な子供や若年者が胸の真ん中に何らかの外力が加わった後、虚脱状態となった場合
まずは心臓震盪ではないかと疑うことが大事である。
呼びかけて、意識を確認し呼吸を確認する。
また周囲の人に119番を頼みAEDを持ってきてもらう。
AEDの到着までの間は胸骨圧迫を行う。(AEDの到着まで何もしないで放っておくと次第に心静止に陥ってしまう)
知識があればすぐに駆けつけることができ、そしてすぐにAEDを使用することで社会復帰率をあげることが可能である。
命にかかわる重大な症状は誰にでも起こる可能性があり
適切な対処さえすれば目の前の命を救えることがある。
目の前の命を救うことが出来るよう私自身も努めていきたい。