空気抵抗
空気は窒素分子をはじめとして様々な分子からなっていてその分子は、たとえ風のない静かな部屋の中でも,平均として音速(だいたい300m/秒)以上のスピードで飛び回っている。
そのようなすごいスピードのものが私たちに当たっても痛くないのは、分子の質量がとんでもなく軽いからある。ただこのような軽い分子でも、たくさんの数で当たってくると大きな力となる。台風などがわかりやすい例として挙げることができる。
このように空気中を動いている物体が空気から抵抗力を受けるのもたくさんの分子が当たってくることによるものである。
また空気抵抗による力とは、読んで字のごとく空気中を進む物体が空気から受ける力であり、例えば自転車に乗っているときにスピードを出せば出すほど向かい風が強くなっていくことを感じたことはないだろうか。一般的に空気抵抗は速度の2乗に比例する。
速度が「2倍」になることは空気抵抗が「4倍」増える事になるため、速度があがるということは空気抵抗と戦うという関係で表すことが出来る。
ボールのような物体が空気のような流体を通過するときも、空気はボールの周りを流れるのでボールの動きに影響をもたらしそのボールを速い球として投げれば投げるほど空気から受ける力は大きいというワケである。
◆気温
空気密度に一番影響が大きいのは温度である。
冬の0℃と夏の30℃では空気密度が10%以上異なり、気温は高くなればなるほど空気が膨張していき空気密度が軽くなるとされている。
空気密度が軽くなるということは衝突する分子の数が少なく、ボールを邪魔するものが減る。
実際の実験でも平均気温10℃の4月初旬と30℃に達する8月で飛距離を比べると約5〜6mの飛距離の差になるという結果が出ている。
その反面ピッチングはというと気温が高い状況はあまり好ましくない。
気温が高いと体内の水分は汗としてどんどん失われていき、パフォーマンスの低下が始まるためである。
私たちの身体のおよそ60%を水分が占めている。そしてそれは筋肉量が多く脂肪量の少ないアスリートの場合はさらにその割合が高くなる。
また投げる時間が長くなれば長くなるほどパフォーマンスは落ちていく。
逆に寒すぎると指の感覚が鈍ったり筋肉の温度を保つことが困難なため細かなコントロールが効かなくなりがちですが。
◆気圧
標高が高くなればなるほど気圧は低くなる。気圧が低い状態というのは空気密度が軽くなり、空気抵抗が少ない状態である。
COLの本拠地クアーズフィールドは海抜1600mの高さにあり高地で気圧が低いため空気抵抗が少ない。結果として打球の飛距離が伸びる。ロッキーズ公式サイトでは「クアーズ・フィールドでは、打球の飛距離が海面と同じ高さの場所よりも9%伸びる。ヤンキー・スタジアムで400フィート(約122メートル)飛ぶ打球は、クアーズ・フィールドではその飛距離が440フィート(約134メートル)になる」と記述されている。
反対に気圧が高いと空気の密度は増えて打球は飛びにくくなる。これはピッチャーには有利と考えられる。
日本で初めてのドーム球場である東京ドームは、外気圧よりも球場内の気圧を0.3%高くして屋根を膨らましていてる。しかし0.3%といった数値ではほぼほぼボールに影響はない。よく東京ドームは巨人に有利になるように球場内の気圧や空調をコントロールしている!ドームランだ!と言われているがこれはただのフェイクであるということをここで証明したい。
(もう一つの要素「湿度」に関しては長くなりそうなのでまた後日、野茂投手のノーヒットノーランのお話とあわせて更新させていただきます♡)
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