【最適な野球の練習時間について】
僕は14年間野球をやっていました。
そこで、練習時間についてはかなり考えた経験がある。
なぜ、競技人生を終えた今改めてこの話題に言及しようと思ったかというと
為末大さんがこの件に言及していたから
それをみて当時考えていたことがより言語化されたからです。
結論から言うと、為末大さんは
「最適な練習時間は1時間」と言っていた。
競技は違えど、僕の結論から言うと
「最適な野球の練習時間は2時間」
野球をやっていた人にはわかると思うが、野球の練習ってやたらと長い!
決して強豪校にいたわけではない僕の場合でも
小学校:6h×週2日
中学校:4h×週6日
高校:5h×週6日
大学:6h×週6日(拘束時間含めれば時には10h以上)
という具合だった。
野球という組織に属したことがある人は、雰囲気として
「長く練習したやつが勝つ」
「泥臭く、がむしゃらにやっていれば救われる」
的なものを感じたことがあるはずだ。
今でも事実メディアで賞賛されるのは、
「最後の夏の大会を1人で投げ切る!のべ球数1500球以上」
「スランプからの復活!毎晩素振り500本」
「地獄の1000本ノック」
など“量”に焦点を当てたものが多い。
自分もそれを信じていたし、お陰様でそういうマインドが身についた。
もちろんそういう類を全て否定するつもりはないけれど、僕は競技人生の中で冒頭の結論に至りました。
大きな転機となったのは、高校2年の冬。
ある事件をきっかけに前代未聞の「野球部解散」の大号令が発令。
約1ヶ月半の休部期間を経て外部からN監督が就任。この方が野球に対する概念を大きく変えてくれました。
確かに中学〜高校と身体の成長とともに競技スキルは伸びた。高校に入ってからも親元を離れ寮生活を送る中で、自分の好きなように時間を使える充実感の中でスキルも伸びていると思っていた。
就任前のN監督との面談での質問でこんなやりとりがあった。
監督「どんな練習しとったん?」
ー「100mの坂道ダッシュ○○本、ポール間走○○本を走ったり、サーキットトレーニングをしたり、*遠投、投げ込みをしたりしてました」*だいたい60-80mくらいの距離を置いてボールを投げること。
監督「で、どれくらい球速くなったん?」
ー「冬場はまだ測ってませんが、秋の練習試合では133km/h出てたみたいです」
監督「ふーん」
ー「、、、」
このやり取りをしている僕は、今までの自分自身を否定したくないという思いと同時に今やっている練習が速い球を投げるという結果に結びついていないことを悟った。そもそも聞かれた質問に回答できていない。※ちなみに高校入学当時は128km/hくらいだったと記憶しているので、質問の答えとしては5km/h。
ここからN監督による改革が始まり、高校3年になった4月-7月は野球人生で最も濃い時間を過ごした。
結果、高校3年夏の大会では野球部史上過去最高の成績を残す。
この時は、全く練習していない。
誤解を恐れずに言うと練習はしたが、以前の疲労感から言うと全く練習してない。
時間にして、練習時間は2h。土日であっても半日3-4hしか練習してない。
けれど、結果としては歴代最高成績。
N監督「人間の集中力ってどれくらい続くか知ってるか?」「良くて20分だぞ」というのが口癖。
その他、どういった取り組みだったかは、長くなるのでまたの機会で言及しますが(笑)
この一夏の経験は後の人生でも大事なことを学んだ。
為末さんの言葉を借りるのであれば2つ。
①「日本人がエンデュランス系に強く、パワー系が弱いから練習時間が延びたのか、練習時間が長いからそうなったのかはわからないが、練習時間を長くすれば、長くできる程度の出力しか出せなくなる危険性がある」
②「練習時間が長ければ何が重要な練習なのかを選手が意識しなくなる」「制限がかかれば人は何を優先するかを考え始め、比較が始まり、より本質的に自分に必要なものを取捨選択するようになる」
これら2つは、競技以外のことでも通用することだと思う。
野球は、1つの競技の中に「投げる」「打つ」「捕る」「走る」という他のスポーツよりも必要な技術があるので、結論として、
「最適な練習時間は2時間」としました。
最後までお読みいただきありがとうございました。