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結局どっちがいいの⁉賃貸VS購入

賃貸と購入、どちらが良いのか?
結論…【時期】【エリア】によって違います!

永遠の議論と言われている住宅における「賃貸」VS「購入」

今回はその議論について、住宅不動産業界歴27年の経験をもとに個人的な見解を解説していきます。

2023年2月25日、日経新聞のコラムによると…

日経新聞のコラムでは、50年間にかかる総費用の差は僅か75万円という試算が掲載されていました。

日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円? くらしの数字考」
日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円? くらしの数字考」
日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円? くらしの数字考」
日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円? くらしの数字考」

持ち家か、賃貸か。住まいをめぐる永遠の課題だ。ローン返済額と家賃以外の費用も加えて精密に試算すると、実は支出総額はほぼ同じ。ただ、金額の差以上に重要な比較項目が浮かんだ。

日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円?くらしの数字考」

高齢になったときに賃貸住宅契約の不安

高齢になったとき、住みたい家の賃貸契約を続けられるかも不安材料だ。国土交通省の21年度調査によれば、賃貸住宅オーナーの約7割が高齢者の入居に拒否感を抱く

日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円?くらしの数字考」

住宅は「資産」なので老後に売却し資産形成できる

一方、住宅は「資産」でもあるので、最終的な収支は賃貸とは異なる。持ち家であれば老後は売却し、その代金を介護施設の入居費などに充てられるからだ。賃貸ではこうした「不動産としての資産形成」はできない。

日本経済新聞「持ち家vs賃貸 支出総額、50年間で差はわずか75万円?くらしの数字考」

このような議論に関しても記述されていましたが、記事の中で最終的な結論は出ていませんでした。

結論は「時期」と「エリア」

私の見解としては、「賃貸」VS「購入」の結論は…

  • 「住む場所」=【エリア】

  • 「購入するタイミング」=【時期】

だと考えています。

それは一体なぜか?それぞれ解説していきます。

「住む場所」=【エリア】

まずは一つ目の「住む場所」=【エリア】について解説します。

日本の不動産と海外の不動産の価格動向には大きな違いがあるのはご存知でしょうか。

例えば、米国の不動産価格は右肩上がりにとなっていますが、日本の不動産価格は1990年のバブル以降、総じて下降。

2013年以降はアベノミクスなどによる異次元の金融緩和などの影響から都心部を中心に日本の不動産価格は上昇に転じていますが、10年程前から日本の総人口は急激に減少しており、「需要」「供給」のバランスを考えると不動産価格は下落圧力が高くなるのではないでしょうか。

ファイナンシャルスター「米国リート・ケースシラー住宅価格指数・10年国債利回り長期推移【チャート・変動要因】」
日本経済新聞「コロナ後の住宅価格占う マンション値下がりは限定的」
世界の人口予測|2024年までにはインドが中国を抜いて世界第1位に。アメリカは引き続きバランスのとれた人口増が続く

「賃貸」「購入」どちらにするか考える上で、もし購入予定の不動産が今後値上がりするのであれば「購入」した方が有利になるでしょう。

逆に、購入予定の不動産が今後値下がりするのであれば「賃貸」の方が有利となりますよね。

これらのことから、先述したように日本のように人口減少が続いており、その影響で不動産価格も下落するのであれば「賃貸」の方が有利になるという考えがセオリーです。

しかし、日本全体の人口が30%減少するからと言って全国均一に不動産価格も30%下落するわけではありません。

私は日本の不動産は今後以下の図のようになると考えています。

この中で注意しなければならないのは、価値が下落するだけなく「価値の無いエリア」が多く存在するであろう現実です。

仕事上お客様の相続相談などを承る機会もありますが、意外に多いのが「相続した不動産の買い手が付かず売却さえもできない」という相続相談です。

今の時代は「不動産」=「資産」でなく、「不動産」=「負動産」となる物件が多くなってきています。

そのため、「賃貸」「購入」どちらにするかを検討するためには、「将来的に不動産価値が維持もしくは上昇できるか?」ということを考えなければいけないのです。

また、価値が減少する不動産を検討する場合は「不動産価値の減少スピードはどれくらいか?」という観点がないと失敗してしまいます。

「購入するタイミング」=【時期】

二つ目に「購入するタイミング」=【時期】について解説します。

下記図をご覧ください。

上図はイメージ概算になりますが、物件は同一としても価格と金利の上下のトレンドによって総支払額が大きく異なることがわかります。

フラット35「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」

さらに、ここで注目したいのは「賃料」です。

「売買価格」はこの40年の中で大きく変化していますが、「賃料」は景気動向によるトレンド変化は限定的です。

SUUMOジャーナル「どうなる、これからのマンション価格?コロナ禍でも住宅購入は抑制より促進?」

これらのことから購入する「時期」よって大きく変動するのは「価格」「金利」であり、この2つ要素によって返済額と総支払額(総負担額)にかなり大きな差が生じる事がわかりますよね。

「エリア」と「時期」の考え方

「エリア」「時期」が重要であることを説明しましたが、最終的にはどう考えるべきなのか?

私は日頃から住宅購入をすべきかどうかの判断する際、まずは以下のように考えています。

  1. 物件価格100%を現状の金利で借入れした場合の返済額/月返済額を算出

  2. その物件を万一賃貸に出した場合の想定家賃をリサーチ

  3. ①の支払額と②の賃料想定を差額算出

①    「月々の返済予定額/月」-②「想定賃料」=③

A:③が「プラスの場合」、購入にウェイトを置いて検討
B:③が「マイナスの場合」賃貸も視野に検討

Aの場合、今後の景気動向などから価格影響を受け下落する可能性もありますが、ある程度下落すると「住宅的価値」が「投資的価値」に変化し、下がりのヘッジが効いて下落リスクを防ぎます。

Bの場合は、将来的に不動産の資産価値が下落する可能性が高いことをしっかりと認識しておく必要があります。

この計算の次に必要なのが前述した「エリア」の判定です。

これは、今後の人口動向を鑑みて、3極化の中のうち自分の購入しようとしている物件のエリアがどの分類に入るかを考えてみましょう。

自分の住みたいエリアが将来的に「富動産」になるのであれば、購入

「負動産」になる可能性があれば賃貸を検討された方が良いと思います。

この手法で検討してみると、日本の不動産の50%程度は「購入不適格」であり「賃貸の方が良い」という結論になるかもしれません。

ただし、住宅購入は損得勘定だけでは判断するものではありませんのでその点もご留意くださいね。

まとめ

1:「賃貸」VS「購入」は【エリア】【時期】で考える

2:購入検討物件を「全額借入した場合の返済月額」-「想定賃料」で分析

3:3極化の中で、どのエリアに該当するのかを確認

4:「負動産」は賃貸、「富動産」は購入を検討

5:損得勘定も大事ですが、本来の家族の幸せも考えて判断しましょう

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