住宅ローン最長50年新商品どう考えるべきか?
8月3日、日本経済新聞に「住信SBI、住宅ローン最長50年に」という話題が上がりました。
ご存じの方も多いと思いますが、住宅ローン商品は一般的に最長35年。
プラス15年というのはとても奇抜な新商品となります。
この新商品には一体、どのようなメリットが有るのでしょうか?
はたまた、メリットは無いのでしょうか?
今回の記事ではこの2点について、私なりの見解で分析と解説をしていきます。
35年超の住宅ローンを設定する場合の条件
初年度から借入金利に0.15%上乗せ
借入金額が500万~2億円で完済時の年齢が80歳未満の人が対象
住信SBIが指定する団体信用生命保険への加入を条件とする
最長35年まで固定金利を選択可能。固定期間終了後は変動金利にするか、新たに固定金利を設定するか選択
融資手数料は借入金額×2.2%
(35年以内の住宅ローンと手数料額は変わらない)
35年超の住宅ローンのメリット
若い世代が月額返済を抑えて家を購入しやすくなる
(例:29歳の方であれば最長50年返済可能)
35年超の住宅ローンの注意点
借入額の計算は今まで通り最長35年にて計算されるため、借入限度額が伸びることはない
完済時年齢は80歳までの為、返済期間は79歳-年齢で計算される
最長50年返済利用時、通常金利に0.15%上乗せされる
(例:2023年8月時点の場合 0.32%+0.15%=0.47%)
50年ローンが可能になれば今までの借入限度額が大幅に増額できるのでは?という一瞬考えたのですが詳細を調べてみると借入限度額が伸びることはありませんでした…。
住宅ローン審査では50年返済を希望しても、完済年数は35年MAXとして返済余力を考え借入可能額限度を算出します。
そのため、「50年返済でも従来の借入限度額は増額されない」となるようです。
35年と50年の返済計画のイメージ比較
35年と50年の返済計画シミュレーションでは、
月返済で▲32,330円
年間返済で▲387,960円
とかなり、支払いは楽になりそうですね。
しかし、50年の場合は金利+0.15%、返済年も+15年となるので総返済額は「+3,255,000円」増えてしまいます。
住信SBIネット銀行のデメリット
単身者に弱い
審査返済比35%/審査金利3.25%で他行と比較して借入は伸びない
旧耐震マンションに弱い
建物分割融資不可
土地先行(土地融資・建物融資の2本立て)は可能だが、土地融資前の正式時に請負必須
住信SBIネット銀行は上記のような特徴や条件などがあるので、自分の属性やご自身が購入検討する物件が該当するのかを事前に確認しましょう。
結論
住信SBIネット銀行の35年超の住宅ローンは、属性の良い若年層がより余裕をもった毎月返済額に抑えて不動産購入する目的で利用する商品である。
現在、各金融機関は住宅ローン金利のディスカウント合戦が過熱し過ぎて疲弊戦になっています。
このような金利競争だけでない独自の特徴がある商品提供がこれから進んでくるのではないでしょうか。
まとめ
完済年齢は80歳がMAX
返済年数は増えても借入限度額の増額はない
45歳未満の方は検討余地あり。45歳以上は効果なし
50年ローンなると月々の返済額は減るが総支払額は増加する