障害者の余暇活動って必要?
はじめまして。wamです!
私は理学療法士として病院で働いています。
このnoteでは、理学療法士として働いている中で、
”もっと障害を持つ方が人生を楽しむための選択肢が増えたらいいな”
と感じてきたことについてや、
実際にこんなことで楽しんでいる人たちがいるよ!というのを記事にできたらと思っています。
わたしの職業、理学療法士って?
理学療法士という職業は、
いわゆる「リハビリテーション」を患者さんに提供するお仕事です。
「リハビリ」と聞くと、
”怪我をしたスポーツ選手が辛いリハビリを乗り越えて競技復帰した”
とか、
”交通事故に遭って骨折したけどリハビリして歩けるようになった”
といった場面でよく聞くかもしれません。
怪我や事故によって損なわれた身体機能が元に戻る、
あるいは元に近い状態に戻るための手段が「リハビリ」。
もちろん病院によってはそういうケースが多い場合もあります。
しかし、私の勤務する回復期病院では、
骨折だとしても重度で中々元の状態には戻らないケース、
脳脊髄の損傷や難病、先天性の疾患をもつ方にリハビリを提供する事がほとんどです。
そんな方たちにとっての「リハビリ」とは、
”残された身体機能を最大限に活用して生活を送れるようにするための手段”です。
例えば、歩くための機能が低下・損失したら、移動するための手段として
車椅子の操作方法や、車椅子作成の助言などを行います。
また、その車椅子に乗るための体の使い方を指導します。
(残存機能の程度にもよりますが)
病院に入院している間に、自宅あるいは施設に戻って生活できるように
日々訓練したり、戻る先の環境調整をしたりしています。
障害を負ったら諦めることばかり?
日々障害を持つ方々と接する中で、よく耳にするのが
「もう大好きだった旅行には行けないね」
「こんなことになるならダイビングやっておけばよかった」
など、”自分の好きな事””憧れていたもの”に対する諦めの言葉です。
しかし、私は知っているのです。
障害を持っていても、旅行にだって行けるし、ダイビングだってできることを。
私は大学生の時から障害者スポーツ・文化施設でアルバイトをしていて
障
体を動かして楽しんでいる様子を見てきました。
レクリエーションレベルから競技レベルまで様々でしたが、
共通して言えることは、「やりたいことをやっている」ということです。
しかし、
やりたいことをやりたいといえる精神状況にあるか、
やりたいことがやれるという事を知っているか
がとても重要だと思っています。
生活していく上で必要な事って何だろう?
さて、障害が残った状態で退院して、前の生活に適応していくためには
何が必要でしょうか。
衣食住の確保、排泄や清拭などの清潔を保っていくことは
もちろん最低限必要になります。
その次の段階として、学生なら復学、社会人であれば復職です。
色々な手当や補助金を貰えるにしても、
障害の重症度や年齢によってピンキリなので、
働き盛りの方は働くことを望む人が多いと思います。
また、労働というのは自己効力感を与えたり、
社会参加という一面もあり閉鎖的な感情にならない為にも
障害者にとって重要なライフワークであると言えます。
復学は多くの場合、学校側の理解と環境さえ調整できれば何とかなります。
一方、復職は多くの場合がいくつもの壁があります。
環境の調整、職場の理解に加え、職種の調整等々が問題となります。
移動に車椅子や義足を使用する場合は工場などでの肉体労働は困難です。
脳の障害で言葉がうまく出てこなければ、接待業などは大変です。
配置転換等で対応してもらえる場合もありますが、
会社の規模や状況によっては退職勧奨されることが
私の経験上は多いように感じます。
障害者雇用枠で再就職することもあり得ますが、望むような職場へ就職するのは狭き門です。
ここで話題を戻し、「生活していく上で必要な事」について
あとは何が考えられるでしょうか?
それは、「余暇」だと私は思っています。
余暇とは、
「生活時間の内、労働および睡眠・食事・家事その他の生活を営む上で
必要となる時間を除いた、自分の好きに過ごせる時間のこと。」
(weblio辞書より)とあります。
余暇なんて時間とお金のある人が楽しむものでしょ?
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、余暇とは社会参加を支ええる”柱”のようなものであると私は考えます。
余暇を有意義に過ごすことによって、自己を社会参加へ促したり、自立した生活を送るための礎と成りうると思うのです。
簡単な余暇の例として、
まずは気の向くままに本を読む、映画を見るなどを思い浮かべてください。
新たな見分を広げたり、興味を深く掘り下げることも有意義です。
今度は、読むための本を駅前の本屋に買いに行ったり、
公開初日に映画を見に2駅先まで足をのばしてみる。
今度は小説や映画の舞台になった地方へ聖地巡礼しに新幹線に乗る。
ついでに近くの旅館に泊まってみる。
など、余暇を自分の興味のままに過ごすことによって、
自然と行動の範囲が広がったり、活動量が上がったりします。
閉鎖的な環境に陥りやすかったり、活動量が下がりやすい障害者こそ、
”余暇”を有意義に過ごすべきだし、楽しむべきだと
私は思うのです。
ひいては、自立した生活を送れるようになることで、仕事を得るチャンスにもつながる可能性があるからです。
現実には生活を送るのにお金も精神的な余裕もいっぱいいっぱいな方や
仕事はあるけど時間がなくて余暇などないという方もいますが、
わたしは、「障害者の余暇活動」に可能性を感じています。
これから障害者の余暇やアクテビティについて発信を
していきたいと思っています。私の運営する
障害者のためのアクティビティ検索サイト「Want to do!」もぜひご覧ください!
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