あるく
ずっとやりたかったことが
とんとんと叶っていきます
流れて流れて漂うままに。
4月からたびを繰り返して
だんだんと速さをゆるめて
あぁ、あるくんだなぁと。
高知は山と川に恵まれて
これほど、気持ちの良く
健やかに、呼吸ができる。
水辺をあるくと
さまざまな生き物が
あるいています
まるで住処におじゃまする
ぼくが恐縮してしまうような
そんな道をいくつも踏みました
カラフルな大小の蟹が
慌てるように去っていき
僕の一歩に合わせて間合いを取り
バッタが勢いよく飛び立っては
川や草むらに消えていきます
高知にきて
あらためて、心の底から
水が好きで、人が好きで、山が好きなのだと
思わせてくれました
落ち着く時間が増えていきます
その一方で
快適じゃないからと
踏みとどまっていた僕を
ゆっくりあらためながら
快適の幅を広げていくこと
それが人生の豊かさを
もっと味わうことにつながるのだと
気付かせてくれました
夕暮れのおわり
水辺に座っている
自然の音に包まれて
日を惜しむ時間
ふと音楽をかけた時
うしろから
地元のお年寄りが
歩いてきた
音楽を消して
僕は挨拶をする
今を楽しみきれていない
そんな束の間に
お年寄りは
挨拶をして
自然な動作で
川へ
花を投じた
何が起こったのか
よく分からない
一厘の枯れかけの花が
水面に浮かんでいる
お年寄りは
流れの弱さに
少し不満を言いつつ
丁寧に手を合わせた
Tatsuya
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?