僕の好きだったひと 3


「理想の恋愛は?」

正直、なんという質問をしたのかは忘れてしまった。
でも、彼の答えから、きっとこんな感じの質問をしたのだろう。

いや、今思えば私がそんな質問をするだろうか、、
でも、今から10年も前のことだ、したのかもしれないし、
なんかの話の流れで彼がふと話し出したのかもしれない。

とりあえず、彼はこう答えた。

「一生片想い」

初めて聞いたワードだった。そう思った。
恋人の私に、彼はそう言った。

「だって、一生ドキドキしていたいし、一生ときめいていたいもん、
だから、誰と付き合ってたって、俺は一生片想いがいい。」

純粋に素敵だなと共感した。
私もこれからそう答えようと思った。

私も彼も、きっとお互いに
おじいちゃん、おばあちゃんになっても、

一生片想いの相手は君だって、

あの時はそう、思っていたよね。


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