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僕の好きだったひと 5




君はすごく変わってた。

と、言っても、私が付き合う人はみんな
「変わってる」と言われる部類の人間なんだけど、
その中でも、君は群を抜いて変わってた。

所謂、「変な人、変わってる人」というよりは「変態」という言葉の方がしっくりくるような。本当に変態な人なんだろうなと思った。
(この表現はエロいとか、下ネタな意味ではなく人間的になんだけどわかるかな)



君とは、とある現場で4年ほど前に出逢っていた。
特に深く関わることもなかったんだけど、Facebookで繋がっていた。

25歳の頃、私は思っていること、日々考えていることを
InstagramやFacebookに長文で投稿している時期だった。

そんな時、彼から連絡が入った。
普段、滅多なことがない限り、通知の来ないメッセンジャーに
君からの通知が表示されていた。




「最近考えてたことと、kahoさんの投稿がリンクしてて連絡しました。」
と、いう内容がそこには書かれていた。

「是非、考えてることとかを聞いてみたいからご飯どーですか?」と。




何年かぶりに逢った。

印象は変わらず。
一見、真面目そうに見えて、めちゃくちゃな変態さを隠しているんだろうなーと、私の変態レーダーがそう言っていた。

きっと、その内なる変態を見極めれない人には頭固そう、冗談とか通じなさそうという印象を持たれるのだろう。


ご飯を食べながら、「これについてはどう思う?」という彼の質問に答えながら、話の流れで彼に伝えた。




「あのさ、一つ言っていい?」


「うん、なに?」


「めっちゃ真面目そうとか、そういう言葉を沢山の人にもらうだろうし、そう見せてるだろうけど、根っこの変態具合、私にはわかるからね。隠さなくてもいいよ」




バッと口元に手を当て、「うわぁ、、」という、声を漏らし、少し俯いた君は隠しきれない満面の笑みを手で必死に押さえながらこっちを見た。この顔を一般的には「にやにや」と呼ぶ。


「ちょっと待って、、うわぁ、、ヤバイな、いや、本当に、あの、そうなんです。
正直めっちゃ嬉しい、、え、なんで!どうしてそう思ったの!?」


「人間の表面的な部分なんて、私見てないから、わかるよ、バレバレ。私も変わってるって言われるけど、出逢ってきた中で一番、変態レベル高いだろうなーって思ってる。笑」



それから彼は今までみんなの印象に合わせた態度を取っていたことや、本当の自分を受け入れてくれる人を見つけたという喜びなのか、興奮冷めやらぬという感じで、ヒートアップしてひたすら二人で語り尽くした。



私も久しぶりに、真面目な話、深い話など、相手に気を遣うことなく何でも言える相手に出逢えた。最近、そういう話ができる人がいなかったように思う。


それから「今日はこんなことを思ったんだけど」とか「この言葉への違和感があって、どういう意味で使われたんだろう」など、お互いの疑問や気づきを、長文のLINEや電話で共有するようになった。



次のご飯に行くまでは、そう遠くなかったような気がする。


少し暑くなり出した、夏の頃だった。




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