スイス[12] 欧州の鉄道(5)ピギーバック
202202191729スイス[12] 欧州の鉄道(5)ピギーバック A.J.
スイスの鉄道に乗っているとよく貨物列車を見ます。スイスにおける貨物輸送の統計に関してはよくは知らないのですが。すみません,この文章は学術論文ではないのです,ごめんなさい。
ただ,日本の鉄道より頻繁に貨物列車を見る機会がある,という気がします。日本でも貨物列車はありますし,JR貨物のウェブサイト(*1)を見ると20フィート海上コンテナだけではなく40フィート海上コンテナを運ぶJR貨物の列車もあるそうです。ただ,日本の鉄道の規格制限から全ての路線で運べるというわけではないそうで,欧州の大きな列車が走る国と比べると日本は残念だな,と思います。
欧州で時々見る鉄道貨物に貨物自動車(トラック)ごと貨物列車の荷台に乗せて運ぶピギーバックがあります。出典がうろ覚えですので話半分に聞いてほしいのですが『スイスの周囲からスイスを通過して第三国へ行く貨物は自動車貨物を制限して,スイス国内は鉄道貨物で運ぶようにしている』ということをどこかで聞いた気もします(間違いかも知れません。繰り返しですがこの拙文は論文ではありません。引用はしないで下さい)。
例えばドイツからスイスを通過してイタリアに行くのであれば(少なくとも)スイス国内は鉄道貨物で運ぶ,のでしょうか(ピギーバックに限らず)? もちろん,スイスの道路でも自動車による貨物輸送(トラック)を見たことはあります。それでももし無制限にスイスの周りの国どうしの輸送を自動車ばかりにしていては,道路保守や環境汚染などで問題になるでしょう。一方でスイス通過時に鉄道輸送にすればスイスの鉄道会社が輸送代金を取れる利点もあります。
スイスのアルプス越えは高速道路(自動車道路)だとゴッタルト道路トンネルしか私は知りません(他にあれば誰か教えて下さい)。結果として貨物のアルプス越えは自動車でなければ貨物列車によるゴッタルト基底トンネルかシンプロントンネル経由しか思い浮かびません。ゴッタルト基底トンネルを行く貨物列車は直接には見たことはないのですが,シンプロントンネルのイタリア側の駅であるドモドッソラ駅に停車中のピギーバック貨物列車を私は実際に見たことがあります。
ピギーバックは単純に考えるとコンテナだけを運ぶのに比べて空荷の貨物自動車の重量が余計にかかります。でも鉄道輸送では少しの重量増加は問題にはならないと思います。また貨物列車の始点終点での貨物扱いもコンテナ単独の輸送より楽なはずです。
スイスでも列車による貨物輸送全てがピギーバックという訳ではありません。どちらが多いのかはよくわかりませんが普通の貨物列車もよく見かけます。ただ,日本ではピギーバックは今はないようです。環境に対する問題が言われている昨今,理由はともかく残念な気がします。
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