鳥羽市役所の女〈2〉(サミット2016[7])『太鼓持ちの女』
202305120017 「鳥羽市役所の女」〈その2。太鼓持ちの女〉
2016年サミットのお話(その7)
実は、その鳥羽市役所の主査と名乗る女とは、伊勢志摩サミットが終わった後の6月11日に開催されたサミットボランティア解散式(*1)で再会している。
サミットボランティア関係者の多くが集った解散式では、地元企業提供の飲料とお菓子などが並んだ立食パーティー形式になっていた。ボランティアの詰所などで知り合った人と再会して嬉しいこともあったが、一方でその提供された物をみると、三重県当局が『なんのかんのと言い掛かりをつけて地元の企業からたかってきた食料品』という印象を持った。どうにせよサミットで首脳たちが食べた物の値段より四桁は安い予算だったに違いない。
その会場で挨拶に立ったボランティア代表は「名古屋から鉄道で成田国際空港へ行く案内を皆で知恵を出しあって成功させた」ということを大げさに自慢していた。
会場で、自分は(英国の)イングランド人だ、という地元の私立高校英語教諭と出会った。彼の勤めている高校の生徒達が、伊勢市内に設けられたプレスセンターで三重県のPRをしたのだそうだ(*2)。彼は、生徒達が国際的な感覚をつかめたことが今回の成果だと言った。その機会をとらえて私はその頃から話題になっていた英国のEU離脱問題に関して彼自身の意見を聴いてみた。
私の英語力はひどいものだがそれでも私がそれなりに理解したのは、彼がEU離脱に賛成だということだった。英国が欧州連合に支払う負担金に不満があるとも彼は言った。その負担金がどの程度なのかは分からなかったので私はそれ以上は質問をしなかった。
今なら彼に、北アイルランドとアイルランド共和国との国境における関税と人の往来問題、移民問題あるいはフランスやドイツ人の英国での居住、あるいはその逆の英国人が大陸で暮らすことが離脱後も出来るのか…などと聞いてみたかったところではある。
さて、鳥羽市役所の主査という女であるが、なんとその彼女とそのボランティア通訳の解散式会場で出会った。私は
「なんで市役所のあんたがいるのさ」
と露骨に聞いたのだが、彼女は不気味な笑みを浮かべただけで何も言わずにその場を去っていってしまった。
解散式の後しばらくして、伊勢志摩サミットを振り返るという報道を新聞で見たら、その女がサミット参加首脳の『配偶者接待(*3)』会場で地元の祭りのデモンストレーションとして和太鼓を叩いている様子が出ていた(*4)。
私が近鉄鳥羽駅で彼女に出会った翌日かその次の日にデモンストレーションを控えていた訳だ。それで彼女は緊張していてハイテンションになっていたのかも知れない。そしてその『功績』により解散式のチープなお菓子パーティーに参加していた、のだろう。
太鼓叩きは、太鼓持ちの役だったのかも知れない。
*1)(2020年7月25日確認)
*2)(2020年7月25日確認)
*3)多くの配偶者は女性(夫人)だがドイツ・メルケル首相の配偶者は男性である。
*4)(2020年7月29日確認)
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