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9月1日 日曜 2つの、大河の醍醐味


朝の天気は曇り。台風はまだ紀伊半島のあたりにいるようだが、自宅周辺は特に大きな影響は見られない。時折ザーッとまとまった降りがくるのが少々厄介で、外出の意欲を削ぐ。
朝食はトーストとトマト、レンチンゆでたまご。きのう久しぶりに多めに呑んだアルコールの影響はあまりない。
ニチアサのアニメと特撮ウォッチ、仮面ライダーは今週から新作「仮面ライダーガヴ」がスタート。今作はお菓子がテーマという、ハード路線が当たり前だった昭和ライダー世代にとっては言いたいことが山ほどあるであろう設定。前作の「ガッチャード」もそうだったが、視聴年齢層を下げようとする意識が感じられる。まあ、おっさんのためにヒーロー番組を作っているわけではないのでこれでいいのだろう。とはいえ、「ライダー」を名乗っている以上、もう少しバイクアクションが多めにあってもいいのではないかとは思う。今回は最後の最後で取ってつけたように専用バイクが登場したが、悲しいかな、既製品感が否めない。あまり現実離れしたデザインではバイクメーカーが難色でも示すのだろうか。
10時過ぎ、まだ雨が降ってこないうちに必要な買い物をと、裏のまいばすけっとで豆乳やトマトジュースなどを買ってくる。用が済んだので午前中はゲームをしながらテレビ視聴。
「独眼竜政宗」の再放送は前半最大の山場である、弟・小次郎の始末と実母・お東の方追放回。豊臣秀吉の命による小田原参陣を前に、先を憂えたお東の方が政宗に“心尽くしの膳”と称して食事に毒を盛るが失敗。政宗はお東を山形へ追放し、お東が頼みとしていた溺愛する次男・小次郎を自らの手で斬る。お東の方を演じる岩下志麻の鬼気迫る演技は大河ドラマ市場屈指のもので、これまで初回放送を含め何度も見たが、凄まじいエピソードだった。
昼飯はストックしておいたカップ麺の中からセブンの中本北極ラーメンと、さっきまいばすけっとで買った食物繊維のサラダ。
食べながら、引き続き「光る君へ」の先行放送を見る。今回は大変中身の濃い回。中宮彰子のもとへ出仕したまひろに「藤式部」の名が与えられる場面から話が始まる。父・藤原為時が式部省蔵人だったのにちなんでの命名で、当時の史料に実際に見られる彼女の名前である。ちなみに、「紫式部」と呼ばれるのは少し後、源氏物語が広く知れ渡り、作中の人物・紫の上に由来するなど諸説あるようだ。で、藤式部の宮廷での日常が細かく描かれていくが、常にバタバタしている環境で肝心の執筆作業は遅々として進まない。そんな中、藤式部は、一人思いにふける中宮彰子に直接語りかける機会が訪れる。帝を含めほとんど他人に自分の気持ちを話したことがなかった彰子が、式部の問いかけに初めて、ほんの小さな心うちを顕にする。その一瞬を確実に捉えた藤式部は、これを糧に一段と執筆意欲を高める。ここに至るまでの式部、彰子双方に積み重ねられてきたキャラ作りが大事な瞬間に至った流れ。これこそが大河ドラマの大河たる醍醐味のひとつなのだと思う。一方、左大臣道長の本領である政面においても興味深い描写があった。それは伊勢守就任を巡る人事の話。ここに登場するのは平維衡という人物(セリフに出てくるだけだが)。この人物自体はそれほど大きな功績があったわけではないはずだが、この者の実父・平貞盛は承平天慶の乱において平将門を追討した重要人物であり、さらにこの者の6代後の末裔が平清盛である。道長は、この人事をおろそかにしてしまえば、いずれこの世は武力を拠り所にする者たちの手に落ちてしまいかねないと危機意識を顕にする。もちろん、その懸念は150年ほど後に現実化する。歴史の大伏線をきっちり描いてみせたのである。こういうのは歴史好きの心を大きく揺さぶり、心地よい。
午後もしばらく在宅。3時過ぎに外出して街中を徘徊。特に買わなければならないものもなく、コンビニから出てきた瞬間、豪雨に見舞われる。まったく、油断ならない面倒な天気だ。
夕食はナッシュの牛肉煮込みとオートミールチーズリゾット。
そういえば気がついたらもう9月。いい加減、涼しくなってほしいが、明日はまた猛暑日らしい。

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