カメラ持参必須の展覧会、「特撮のDNA ウルトラマン」へ行こう!
9月5日から始まった、「特撮のDNA―ウルトラマン Genealogy」(東京ドームシティGallery AaMo)に早速行ってきた。初日は土曜だったため混雑を避けて平日の火曜日の昼過ぎを狙って行ったのだが、すでに子供連れも含め30人ほどの行列ができていたのには驚いた。さすがは天下のヒーロー・ウルトラマンだ。
「特撮のDNA」とは、“神様”円谷英二を原点に生み出されてきた日本ならではの映像文化である特撮技法を、様々な視点からフィーチャーし、過去から現在、そして未来へと継承されていくべく、啓蒙していくことを目的とした全国巡回型展示イベントのこと。自分は2018年に蒲田で開催された「『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』まで」を見ただけだが、よくぞここまで集めてきたなと驚きの展示物にあふれていたことに衝撃を受けた。
今回はそのウルトラマン版。1966年1月放送開始の「ウルトラQ」も含め、初代「ウルトラマン」から現在絶賛放送中の「ウルトラマンZ」まで、さらに円谷プロが制作してきた「ミラーマン」「ジャンボーグA」「電光超人グリッドマン」などなどすべてのヒーロー作品(本当にすべて、一切の妥協はない。チビラくんもどこかにあったはず)の関連展示物がギャラリースペース狭しとドーンと並べられていた。
自分のように常日頃昭和の特撮作品を舐め回している人間でさえ、撮影で実際に使われた衣装や模型、珍品グッズを目の当たりにさせられると、たちまち冷静さを失ってしまうから不思議だ。
なるほどマットアロー1号の素材はこんな感じなのか、ジャンボーグ9に変身するときのホンダZの模型はこんなに成功に再現されているのか、「ウルトラQ」最終回「あけてくれ!」に使われた小田急ロマンスカーNSE3100形はやけに不気味だな、などなど、語りだしたら止まらない。
そして、この「特撮のDNA」が素晴らしいのは、展示物のほとんどが写真撮り放題な点だ。自分が確認した限りでは、今回撮影制限がかかっている展示物は確認できなかった(ただしスチルのみ、動画撮影はどれもNG)。
スマホが当たり前の携行ツールとなっている今は、あらゆるものが画像に残される時代だ。様々な人々の、様々な視点から捉えれれた昭和から令和にかけてのヒーローたちの勇姿が、小さなカメラマンたちによって、現代から未来へと伝承されていく。ギャラリーたちはただ見物するためだけにいるのではない。見たものを誰かに、なるべく正確な形で伝えられることこそ、偉大なるクリエイターたちが残したにとっての何よりの喜びのはずだ。あやふやな記憶をもとに引き継がれる伝承には常に誤解がついてまわる。それをさせないために、このイベントの撮影がオープン化されているのだろうと自分は確信している。
だからこそ、一人でも多くの人がこの展示会を訪れることを、特撮ファンの一人として、自分は願わずにいられない。ここに貼った写真で喜んでもらえるのは嬉しいが、やはりホンモノを見に行ってほしい。それもできれば小さなお子さんたちを連れて。その子どもたちが50年後、次のバトンを渡してくれるために。