十二階のレンガが呼び起こす、100年前の浅草の記憶
ここ数日、浅草界隈の話題といえば、銀座の小学校の制服問題でもなく、北朝鮮応援団の珍妙なお面のことでもなく、「十二階の遺構発見」の話である。
十二階とは、明治時代に浅草の一角に建造された日本初の洋風高層建築物「凌雲閣」のこと。その階層の数から「十二階」と呼ばれた。大川の向こうにそびえ立つ東京スカイツリーや東京タワーのご先祖様というべき存在で、明治大正における帝都のランドマークだった。物好きが集まる浅草にふさわしい建物であり、当時は石川啄木ら浅草大好き著名人たちもちょくちょく訪れ