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【カード語り】暴力的融合!《ガーディアン・キマイラ》を知る。

《ガーディアン・キマイラ》というカードがあります。先日、マスターデュエルにもやってきましたね。

融合好きとしては、必ず語らなければならないこのカードについて、本日は書いていきたいと思います!


まずはスペックおさらい

ビィヨォーーン

融合・効果モンスター
星9/闇属性/獣族/攻3300/守3300

カード名が異なるモンスター×3

このカードは手札と自分フィールドのモンスターのみをそれぞれ1体以上素材とした融合召喚でのみEXデッキから特殊召喚できる。
このカードの(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが魔法カードの効果で融合召喚した場合に発動できる。
手札で融合素材としたカードの数だけ自分はデッキからドローし、フィールドで融合素材としたカードの数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊する。

(2):自分の墓地に「融合」が存在する限り、このカードは相手の効果の対象にならない。

①の効果がなかなかキマっており、融合によるディスアドバンテージを、即座に回復することが可能です。

これがさらに、素材になった際にアドバンテージを取れるカードで融合されたら……よだれが止まりませんねェ!
シャドール3体で融合したら、驚異の4:7交換です。7……???

さらに破壊効果は対象を取らず、カード種別を問いません。
全部盛りすぎる。カツカレーチーズトッピングみたいな効果してんな。

②の効果もなかなか強力で、単純なスタッツが大きく、除去に一苦労すること請け合いです。
3000で相討ちを取られないのが素晴らしいですね。

出た時点で仕事をしているにもかかわらず、場にもかなりの存在感で居座ることができ、スペックは非常に高いと言えるでしょう。

極めつけに、融合素材指定が非常にゆるく、名称が異なればあらゆるモンスターを素材にすることが可能です。

つまりその気になれば、《融合》さえ入れておけば、あらゆるデッキで融合召喚可能ということであり、
エクストラ1枠と引き換えに、《融合》が「手札を1~2枚入れ変えつつ、場のカードを1~2枚割りつつ、対象耐性を持つ3300打点を出力するカード」に化ける、ということでもあります。
書いた内容だけ見ると、とんでもない化け方してますね。

実際のところは、先攻の初動にならない点などもあり、あらゆるデッキに積まれるということはまあないですが、
《融合》を活用するデッキにはまず間違いなくお声がかかるでしょう。
【ファーニマル】や【月光】が筆頭候補になるでしょうか。

個人的には、モンスターはそこそこ並ぶが打点と除去手段に乏しいデッキに採用したら面白いんじゃないかと思い、
OCGの【オルターガイスト】に《融合》をピン挿ししています。まだ出たことはないですが。。。

マスターデュエルにも先日実装されたので、来期あたりテストしてみようかと思います。


扱う上での注意点

強力なカードではありますが、いくつか素材指定と①の効果処理に関して特殊な点があり、注意が必要です。

■必ず「自分の」「場と手札」のモンスターを融合しなければならない

融合素材が非常にゆるい一方、場所の制約が特殊で、

  • 相手のモンスターを巻き込んで融合

  • 自分の場だけで融合

  • 自分の手札だけで融合

はできません。

よって、《超融合》で相手のモンスターを除去しつつ、さらに破壊、という犯罪ムーブは不可能です。
というか露骨に《超融合》を意識した調整ですねこれは。

■破壊効果は、必ず場の素材分破壊しなければならない

場のモンスターを2体素材にした場合、かならず相手の場のカードを2枚破壊する必要があります。

もし、場の素材2体で融合した効果の処理前に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》などにより、相手の場のカードが1枚になったら、
その残り1枚は破壊することができません

なお、ドローの処理は、破壊の処理より前に書かれているので、破壊が通らなくても適用されます。

■場の素材分のカードが相手の場にないと、効果が発動しない

《ガーディアン・キマイラ》の融合召喚成功時、相手の場に、場の素材分のカードが存在しない場合、
「融合素材としたカードの数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊する」処理が実行できないため、そもそも①の効果の発動ができません

前述の内容と少しややこしいのですが、

  • 効果発動タイミングで場のカードが足りない ⇒ 効果が発動しない

  • 効果発動後、いろいろあって場のカードが足りなくなった ⇒ ドローはできる

となります。

たとえば先攻1ターン目で、場1体と手札2体で融合し、2枚の手札交換をする、という使い方はできないわけです(相手の場にカードがないため)。

①の効果を使えないと、最悪の場合アド損クソデカバニラモンスターになるので注意しましょう。

■ドロー効果を含むため《灰流うらら》にひっかかる

最大の弱点と言えるでしょう。

《灰流うらら》は対象を取らないがゆえに、天敵といえます。当然もらうと破壊もできません。絶対に許さない

アド損クソデカバニラモンスターにならないためにも、ブラフに撃たせるなど、誘発への警戒は事前に十分おこないましょう。
素材で失うものが多いことから、こちらをブラフとするのは現実的ではないですね……。

あるいは、素材になった際に発動する効果を持つモンスターを絡ませ、《ガーディアン・キマイラ》をチェーン1にすることで、《灰流うらら》のケアが可能です。
【シャドール】などはほぼデフォルトでこの動きが可能でしょう。専用融合でも《召喚魔術》でも出せないのが難点ですが……

■「魔法カードの効果」で融合する必要がある

忘れがちですが、罠、モンスター効果での融合では①の効果が発動しません

マスターデュエル未実装ですが《合体竜ティマイオス》《赫の聖女カルテシア》の効果では、融合はできますが①が発動しません。
《融合》も落ちないので、正真正銘のアド損クソデカバニラモンスターです。

《赫の聖女カルテシア》が出たときに私も勘違いして「これからはフリチェキマイラの時代や!!」と思ってたのですが、そんなことはありませんでした


総じて、「素材とする場のモンスター分、相手の場にカードが残ることをちゃんと確認する」ことが重要です。
基本的に盤面のまくりを期待して撃つことが多いと思うので、あまりここのミスはないように思いますが、覚えておきましょう!


相手ターンに出して気持ちよくなりたい!!!

さてこのカード、融合さえすれば相手ターンでももちろん効果が発動するため、相手ターンに出力することで強力な妨害として使うことも可能です。

突然、場が2枚割られて、3300のモンスターが出現するのは、かなりの圧がありますよね。そして気持ちイイ!!

ところで……
相手ターンにこのカードを出力する方法はどのくらいあるのでしょうか?

■速攻魔法の融合のラインナップは?

相手ターンに魔法カードで出力する必要があるので、必然的に速攻魔法を使うことになります。
2022年8月現在で、融合召喚ができる速攻魔法ですが、全20種存在します。

ただしそのうち、

  • 場と手札のカードを素材にできる

  • 融合先の縛りが《ガーディアン・キマイラ》に適合する

というフィルタを追加すると、恐るべきことに残るカードはたった2種になります。えぇ……

■《赫の烙印》

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分の墓地の、「デスピア」モンスターまたは「アルバスの落胤」1体を対象として発動できる。 そのモンスターを手札に加える。 その後、以下の効果を適用できる。

●自分の手札・フィールドから、レベル8以上の融合モンスターカードによって決められた 融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。 
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン直接攻撃できない。

《ガーディアン・キマイラ》はレベル9であるため、融合先の縛りをクリアしています。

ただし効果の都合上、墓地に「デスピア」または《アルバスの落胤》が必要になり、そしてこれらのカードはそう多くのデッキに採用することはできません。
このカードを手札に加える or 場に置く手段を持つことからも【デスピア】ないし【アルバスの落胤】専用となるでしょう。

特にアクセスが容易な【デスピア】では、元々盤面処理能力が高くなかったこともあり、
《ガーディアン・キマイラ》登場以降、カテゴリカードレベルの主戦術のひとつになっています。

素材も優秀で、《悲劇のデスピアン》《デスピアの凶劇》《デスピアの大導劇神》を素材にすることで、さらにアドを取りつつ《灰流うらら》をケアすることができます。

ランクマッチで対面することも増えたので、さらに対処法まで記載しておくと、
かならずフィールドのモンスターが必要な関係上、発動にチェーンして相手フィールドのモンスターを一掃することで、《ガーディアン・キマイラ》の融合を止めることができます。

また、サルベージを介する必要があるので、《墓穴の指名者》も有効です。

■《黒魔術の秘儀》

速攻魔法

(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。

●融合モンスターカードによって決められた、「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」を含む融合素材モンスターを
自分の手札・フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

●レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、
「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」を含む
自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、
手札から儀式モンスター1体を儀式召喚する。

意外なもう1枚がこちら。【ブラック・マジシャン】のサポートカードになります。

このカードは、「融合素材」として《ブラック・マジシャン》または《ブラック・マジシャン・ガール》を要求しますが、実は融合先の縛りは一切ありません
よって、《ガーディアン・キマイラ》以外にも《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》《捕食植物ドラゴスタペリア》なども融合召喚可能な、小回りのききやすい便利な魔法カードです。

OCGでは《イリュージョン・オブ・カオス》の登場で、儀式召喚の効果を選択する機会も出てきました。

【ブラック・マジシャン】も、妨害の手数をそこまで用意できるわけではないことと、
《永遠の魂》の存在により、場にモンスターを供給することに長けていることから、
【ブラック・マジシャン】における《黒魔術の秘儀》の重要性は一気に引きあがったと言えます。

手札でだぶつくと厳しい《ブラック・マジシャン》《ブラック・マジシャン・ガール》を、居てほしい墓地に送りつつ、ドローに変換できるのも非常に点が高いですね。

そして当然ながら、【ブラック・マジシャン】ではないデッキに、
《ブラック・マジシャン》《ブラック・マジシャン・ガール》を採用するのは狂気の沙汰でしかないため、これも出張性能はゼロです。


結論としては、相手ターンに出して気持ちよくなれるデッキは、ごく限られた一部のデッキのみでした。残念。
しかし、自分のターンに《融合》を手撃ちするだけでも十分強力なので、上手に使ってあげたいですね!


おわりに

レギュラーパックのホロレア枠で登場したこのカード、
《天霆號アーゼウス》《天獄の王》などの同輩と比べるといささか知名度・汎用性に欠けるところはありそうですが、
融合をよく使う決闘者各位は、大変お世話になる、非常によいカードだと思います。

融合テーマが出るたびに、追加を検討できる、「融合の中では」非常に汎用的なスペックを持つことも魅力ですね。

今後このカードをうまく扱えるテーマが出てくることを期待したいです。
獣族の融合テーマとか出たらいいかもなア……


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