【OCG】烙印キマイラの可能性を考えてみる【展開紹介】
12期の幕開け、DUELIST NEXUSが発売となり、その目玉として、新たな融合テーマ【キマイラ】が登場しました。
今回は、その【キマイラ】と【烙印】を混ぜ込むという試みについて、現時点までで考えられていること、デッキ案、展開と留意点について、ご紹介できればと思います。
前提、精度や思考は粗があるはずなので、部分部分だけでも参考になれば幸いです。
では、いってみましょう!
【テーマ解説:キマイラについて】
まずは、新進気鋭の新テーマ【キマイラ】に関する紐解きから始めます。
◼️テーマとしての性質
古のカードである《有翼幻獣キマイラ》のリメイクモンスターをエースとする、融合テーマです。
1枚初動から膨大なリソースを獲得できる
テーマカード同士の相互関係が強く、安定した盤面形成が可能
先攻ではコンパクトな妨害+ハンデスを構えつつ、後続リソースを用意
後攻では高火力フィニッシャーによる高速ライフカット
と、特徴だけ見ると、さすがの12期、というようなテーマです。
今後の新規も期待でき、伸び代を残しつつ、ここまでの性能を持っているのはなかなか驚異的ではあります。
また、異なる特徴として、
12期から登場の新種族「幻想魔族」をテーマ内に含有
《ガーディアン・キマイラ》を相手ターン中に展開可能な数少ないデッキ
と、なかなか独自の特徴にあふれたテーマになります。
◼️テーマカード
いずれも無駄がなく、盛り盛りの効果を持っています。
幻爪の王ガゼル:
幻獣王ガゼルのリメイクモンスター。
2種類のサーチ効果を持ち、1ターン中に双方を使用できます。ずいぶん派手に出世したものです。
サーチ範囲がわりと広く、後述のテーマカードはもちろん、テーマ外のモンスターサーチも可能です。
特に幻想魔族の万能サーチは、今後のカードプールの増加に伴って爆発的に有用性が増す可能性があります。
大翼のバフォメット:
バフォメットのリメイクモンスター。
登場時に融合魔法と素材をまとめて調達できる驚異的なサーチャーです。
レベル5であり、通常召喚に骨が折れることがネックですが、後述のモンスターがそれをサポートします。
素材になった際の蘇生効果で、融合を通した後もさらにリソースメイクに寄与します。
ミラー ソードナイト:
幻想魔族モンスターのひとつ。名前の半角スペースが気持ち悪いです。
後述の《合成獣融合》をキーとするモンスターをなんでもリクルートできます。
主に前述のバフォメットをリクルートすることで、レベルの重さ問題を解決します。
墓地にある場合、有翼幻獣キマイラネームがあると妨害になります。
リソースメイクしつつ妨害を構えることができ、言わずもがな【キマイラ】における展開の要です。
②については、戦闘破壊耐性と考えてよいでしょう。盤面を取れないのは少し残念ですね。
コーンフィールド コアトル:
こちらも幻想魔族。おなじく半角スペースが気持ち悪いです。
手札から捨てることで、前述の全てのモンスターにアクセスできます。
足りないパーツを補うことができ、とくにミラーソードナイトのかさましができる点は評価が高いです。
また、こちらも消極的ですが妨害になります。
バックを割りものから守るような使い方も可能で、これのサーチから入るだけで有翼幻獣キマイラがいる限り対象効果を弾くことができます。
合成獣融合:
悪魔、獣を素材に含む以外に縛りはなく、融合先に指定はありません。
速攻魔法であることから、相手ターンでの奇襲に使うこともできます。
メイン限定のため、バトル中の追撃には使えない点に注意です。
伏せて相手ターンに開くことで、ガーディアンキマイラを呼び出すことができます。
キマイラネームなので多少意識しているのでしょうか……?
また、自己サルベージも優秀で、2回分の融合として機能します。
素材分のディスアドについては、他のテーマカードの優秀さゆえにただちにリカバーでき、2回の融合を成立させることは容易です。
幻獣王キマイラ:
場と墓地で有翼幻獣キマイラとして扱うリメイクモンスターです。
融合時にエンドフェイズのハンデスを予約でき、確実に相手のリソースを削ることができます。
その他、場で何かをする効果はないのですが、場にいることで、前述の幻想魔族モンスターたちが妨害として機能します。
また、墓地にいるとリソースとして扱え、バフォメット蘇生から2体目の融合の準備を整えることができます。
幻想魔獣キマイラ:
こちらもリメイクモンスター。幻想魔族モンスターです。
基本的に、幻獣王キマイラを経由して出力されます。
非常に攻撃的な効果を持ち、ライフカットに大きく寄与するほか、場のモンスター2体を実質無力化するような扱い方もできます。
初回の反射ダメージを覚悟すれば、単独でマスカレーナ経由アストラムにも対処できます。
テンプレート展開を経由すると素材は3体となり、打点1300以下のモンスターが相手の場にいるか、打点1800以上の自軍がいれば相手の打点関係なしにワンショットキルが成立します。
◼️基本展開
相手ターンにソードナイトの効果を起動し、バフォメット2体目を呼ぶことで、さらにリソースを増やしつつ、ソードナイトを墓地へ置くことができます。
また、伏せた合成獣融合はガーディアンキマイラによって妨害カウントにすることができ、幻獣王がいる限り対象効果はコアトルで1回弾けるので、盤面としてはそこそこ硬いです。
2ターン目以降については、上記の★の位置から
と続けることで、3回攻撃の幻想魔獣を出力し、大きなライフカットが可能です。
OCGタイムズでも紹介された展開ですね。
基本的には、各種カードを使って幻獣王キマイラにアクセスしつつ、そこから得たアドバンテージ+2回目の合成獣融合で次の手の組み立てを考える、という方針です。
【烙印との噛み合い、および課題】
【キマイラ】単独のスペックは上記の通りとなり、これをいかに【烙印】と結合させていくか、を考えます。
◼️噛み合う点
強烈に噛み合うのは、バフォメットのサーチ先に《スプリガンズ・キット》が存在する点です。
これにより、バフォメットのss成功から、烙印側の動きへ移行することができます。
もう一点として、ガゼルが《撃鉄竜リンドブルム》の素材になることができる点です。
烙印融合でガゼル素材にリンドブルムを出すことで、そのままソードナイトをサーチしてキマイラ側の動きをスタートさせることができます。
この2点の噛み合いをもって、この2つのテーマを統合します。
◼️噛み合わない点
一方、ひとつ致命的に噛み合わない点が、召喚権の競合です。
両テーマのコアとなるのがソードナイトと烙印融合なのですが、ソードナイトは新種族ゆえにサポートが乏しく、召喚権なしで安定して場に出力することが困難です。
また、烙印融合は言わずもがな制限のため、サーチャーによる融通がほぼ前提となります。
ここで、ソードナイトと、烙印融合サーチャーの召喚権の競合問題が発生します。
2テーマの強みを活かすには、必ず召喚権の競合問題を解決する必要が出てきます。
◼️それに対する暫定の回答
《烙印の気炎》で、アルバス融合体を墓地へ落としつつ、キットをサーチする、が回答になります。
これにより、キットが自己SSできるようになり、烙印融合から回収したソードナイトに召喚権を充てることができます。
気炎の相方としては、アルバス融合体が存在する、ドラゴン、獣、鳥獣、機械が対応しており、このデッキにおいてはガゼル、およびそのサーチが可能なコアトルを自然な形で使うことができます。
当然キット自身、アルバス自身も相方になります。
【構築案と展開例】
◼️構築案
ギミックとして最低限採用すると良さそうなカードをピックアップしています。
アルバス:
素引き時の烙印融合のパワー低下を避けるため、2枚。
気炎とくっつけても強く、単独でミラジェイドへの布石を整えつつキットをサーチできます。
後攻の捲りとしても使えますが、ただでさえ乏しい召喚権を食う点は注意。
キット:
気炎で引っ張ることが重要なため、最大数にはせず。
2ターン目にバフォメットから2体目を呼べれば強いと考え、2枚としました。
メルクーリエ:
気炎とのペアで最も多いのが獣族であり、ブリガンドのエンド時効果を最大活用するための採用。
素引きしても、アルバス融合体を立てる手段はいくつかあるため、完全に腐ることは少ないと想定。
ミラーソード、コアトル:
初動札のため最大枚数。
ガゼル、バフォメット:
バフォメットはキーパーツだが、手札にかさばると弱い。デッキにいてほしいカードなのと、2枚は使う場面があり、2投。
ガゼルは気炎の相方にもなり、リクルートなどで意外と消費するため3投しています。ここは調整枠。
烙印融合:
もはや語ることもなし。
合成獣融合:
サーチが容易だが、ターン1がないことから2枚持っていてもよいため2枚。
伏せれば多くの場合でガーディアンキマイラになるので、使用感次第では3枚に増やせるかも。
烙印の気炎:
初動札のため最大枚数。サーチ先はほぼキットになる想定。
赫ける王の烙印:
妨害が盤面ではなく手札や墓地に散ったり、ガーディアンキマイラのようにあとから出てくるため、アルビオン落としから雑に置ける妨害として、他の烙印系デッキよりは使いやすいのでは、と考え採用。
ここは使用感を踏まえて色々検討したいところ。
誘発枠:
9枠をうららG泡影に割く。4-5枠は追加でスロットを用意でき、枠の許容範囲は広い。
バランスを見て検討したい。
烙印アルビオン:
気炎から落とすことで手数に。
王の烙印をセットして、アルバス融合体の妨害数を増やせます。
キットをメインでガンガン使っていく関係で、スプリンドは現状不採用。
ブリガンド:
気炎で獣族に対応する融合体。
アルバス融合体を立てる準備をしつつ、エンドフェイズにメルクーリエを持ってくることで、妨害数を増やす。
ルベリオン、ミラジェイド:
烙印なら必ず入る中継地点及びエースモンスター。
ミラジェイドはルベリオン経由だけでなく、合成獣融合で直接融合することも。
リンドブルム:
烙印とキマイラを接続する重要な融合体です。
効果自体も優秀で、処理されたあとでも、効果でアルバスを追加出力して妨害数を増やすことができます。
基本的に気炎では落とさず、烙印融合での出力を狙いますが、DDクロウを採用する価値が高いような環境になってきた場合には、2枚に増やして1枚を気炎用とする可能性もありそうです。
幻獣王キマイラ:
初動、およびリーサルの経由地点として2枚を想定。
3枚目が欲しいかどうかは今後回してみて検討。
幻想魔獣キマイラ:
明確にリーサルを取るタイミングでの1枚。
先攻で立てることはなく、制圧効果も持たないことから、明確に相手のライフを取りにいくタイミングでのみ出力する想定です。
ガーディアンキマイラ:
キマイラギミックで手札がジャブジャブ増えることから、合成獣融合さえ確保できれば、1デュエルに2回撃つシチュエーションもありそうだなと思い2枚採用。
先攻で置く妨害用と、返しのターンで盤面を散らしにいく用を想定しています。
過剰であれば、他のカードへ差し替えを検討します。
■展開例
召喚権はほぼ必ずミラーナイトへ割きます。
そのため、烙印側のギミックを、召喚権なしで起動できるか、が重要な分岐点になってきます。
これが成立しない場合、烙印だけ、ないしはキマイラだけ、で動くことになります。
展開パターン①:
烙印融合を素引きし、その効果を通せた場合の展開です。
次のターンのドローフェイズにミラーナイトの効果を発動し、バフォメットかガゼルssから、さらにリソースを増やすことができます。
バフォメットを2枚採用とする場合、返しのターンでの幻獣王の融合が素材不足で難しくなる可能性を考慮し、ミラーナイトのss先はガゼルとした方がいいかもしれません。
2枚目の合成獣融合で手数を確保しつつ、ガーディアンキマイラに巻き込むことでコアトルもサーチできます。
幻獣王を墓地に置くことができれば、頃合いを見てバフォメットを蘇生→2枚目の合成獣融合とキットをサーチ、とすると、返しで烙印融合をもう一度使う準備ができます。
少なくともリンドブルムか、リンドブルム墓地効果で融合妨害したアルバス融合体が場か墓地にあるはずなので、サーチしたキットはだいたいの場合、自己ssが可能です。
また、この展開では、赫ける王の烙印を妨害札として採用しています。
リンドブルム以外の妨害札(ミラーナイト、コアトル、合成獣融合)が場に表で存在しない関係で、他の烙印デッキと比較すると、このカードが非常に使いやすいです。
場にあるカードであればなんでも無効にすることができ、展開の起点の魔法や、全体除去系の魔法もやり過ごすことができます。
展開パターン②:
気炎からキットssと入った場合は、烙印融合のサーチにキットを使う代わりに、メルクーリエが追加で手に入ります。
気炎の相方は、ドラゴン族(アルバス素引き)でもよく、王の烙印がついてきます。
盤面強度でいくと、烙印融合素引きの場合とそこまで大きな差はなく、妨害の考え方も同じです。
展開パターン③:
要求値は高いですが、召喚権をキットに割いても両ギミックを並べることができます。
リンドブルムが立つ場合のほうが結果的に妨害数は増えます。
①②より優先することは基本的にない想定ですが、これらが成立しない場合には割と強い展開になります。
なお、バフォメットの素材時効果は、先に墓地に幻想魔族が落ちていないと発動ができない点は注意が必要です。
【おわりに】
今回は、いったん【烙印】との混成を考えました。
巷では様々な型が試されているようで、パッチワークで悪魔族と融合を調達する型や、観測範囲内だと鉄獣戦線との混成構築なんかも試みられているようです。
幻想魔族自体の充実に伴い、どんどん強くなっていくことが期待できるのもいいですね。
【キマイラ】というテーマ自体は、攻防一体兼ね備えた、長く遊べそうないいテーマだと感じました。
まずは烙印混成型で、どんな戦いができるかを試してみたいなと思います!