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飯田弁に見る飯田人の流儀

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#三六災害

飯田弁に見る飯田人の流儀

はじめに

 令和元年(2019)9月8日より、南信州新聞に「飯田弁に見る飯田人の流儀」と題して、飯田地方の方言に関する私見を連載中です。それらのうちの一部を、転載してみます。ご意見・ご感想・ご教示などいただければ嬉しく思います。

   

飯田人にとっての「やっと」(3)

 飯田弁における「やっと」の表現のなかで、私が最も妙味を覚える語の「やんがらやっと」を、一連の最後に掲げよう。
 昭和三六年(西暦一九六一年)の六月末つかたには、飯田地方が集中豪雨に襲われて、甚大な被害を受けた。市内の知人から、その「三六(サンロク)災害」のときの思い出として、およそ以下のような話を聞いたことがあった。
*   *   *
やんがらやっと〔yangarayatto〕【副詞】《低高高

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