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飯田弁に見る飯田人の流儀

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2021年5月の記事一覧

飯田弁に見る飯田人の流儀

はじめに

 令和元年(2019)9月8日より、南信州新聞に「飯田弁に見る飯田人の流儀」と題して、飯田地方の方言に関する私見を連載中です。それらのうちの一部を、転載してみます。ご意見・ご感想・ご教示などいただければ嬉しく思います。

   

「とびっくら」に見る流儀(3)

 南信濃では「走る」ことを、ふだん普通には「とぶ」と言っている。それでいながら「走りとおす」ことや「走りぬける」ことは、けっして「とびとおす」とか「とびぬける」などとは言わない。あるいはまた「駆けとおす」や「駆けぬける」だったならば言いもするだろう。そうであってみても、それだからといってふだん普通に「かける」の方を用いて言うものだろうか。私にはそうは思われないのである。
 さらにはまた「梅雨のはし

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