お利口な戦コンがスタートアップに飛び込んだら「きちぃ」件
タイトル通り、お利口なキャリアを歩んできた戦略コンサルタントの「私」がスタートアップの世界に飛び込んだら「きちぃ」件について書こうと思います。
自己紹介
・某お利口大学→某MBB→某お利口MBA→2020年9月よりAdacotechでフルタイムインターン(MBA在学中)
・スタートアップに飛び込んだら「きちぃ」と書いていますが、某MBBでも結構苦労していると思い生きてきました
お利口な苦労歴レパートリー
お利口MBAに合格するためは「人生における失敗」や「苦労」の客観視が重要であり、受験の志望動機に書いたり・面接で話したりしないといけないため、下記の様なお利口な苦労歴レパートリーをドヤ顔で語ってきました。
・クライアントから若造と舐められ・受け入れて貰えなかった。理不尽にキレられて小一時間立ちっぱなしで説教された※
・年上のチームメンバーに厳しい評価・フィードバックをしなければならなかった。うまく成長・改善のサイクルに乗って貰うことが出来ず、その方は会社を去る道を選んでしまった※
・海外オフィスに赴任し、縁もゆかりも無い土地でクライアントから「なんでこの地域・業界知識の無い英語へたくそなアジア人に高いフィー払うの?」と言われた※
※ 全てに「最後はパートナーが守ってくれているし、余裕のある生活をおくるには十分過ぎるほどの給料が貰えるけどね」という注記がつきます
では、スタートアップに飛び込んで、どう「きちぃ」のか?
「お、おれの戦コン神器がきかないだと?!」
はい…全部使えない・ききませんでした。
インターン開始前に気合の入った私↓↓↓
「秒」で打ちのめされた私↓↓↓
※ この先はあくまでサンプル=1(シリーズAの製造業×AIのスタートアップ)の内容です
伝家の宝刀 ストーリーライン・ブランクデック
当たり前ですがスライド作る暇あったら、顧客と話し・インサイト取って来いよ・売って来いよ、仮説を検証しろよ、という世界です。内部資料でスライド作成とかはムダでした。3時間かけた綺麗な資料 < 30件のコールドコール・2件のお客様訪問でした。
3連撃 論点整理、優先順位付け、ネクストステップ
大事です。これはスタートアップでも、とても大事です。でも議論が当初描いた通りに着実に積みあがっていくということは、ほぼありません。だって仮説検証のサイクルを超高速でまわしながら0→1に取り組んでいるのだから。情報が不十分な中での連続的な意思決定が必要です。戦略方針決めて、数値とKPIに落とし込んで、トラッキングしながら改善の打ち手を打って…という様に綺麗には進みません。
あとプロジェクトスコープが「会社の経営全て」なので、スコープ内で綺麗に整理する・必殺技「ここはスコープから外しましょう」が通じません。
召喚獣 アソシエイト
例え、イカしたストーリーとブランクスライドを作っても、気づいたらデータ収集・モデル作成/分析・資料化してくれているアソシエイトはいません。新卒でコンサルタントになると、実は画一的な量産型ビジネスエリート(私もですが)としか働いたことが無いことに気づきました。
究極召喚獣 パートナー
数億円のプロジェクトを売ってきて、分け前をくれるパートナーはいません。自分が自力では1円も稼げない・1個もサービス・製品を売れないことに気づきます。大問題が発生しても「とりあえず召喚しておいたら、何か良い感じに解決の道筋をつけてくれる」究極召喚獣 シニアパートナーは不在でした。
と思ったら、神獣 天才エンジニア達が出現
ド文系である私がほとんど接したことの無い方々...
最初は「日本語でおk」という感じでした。
最低限プロダクトの性能・機能は理解しつつ、きちんと会話が出来る様になろうと一生懸命勉強しております...
生きる希望
とはいえ、1カ月強過ごす中で、私にもいくつかの生きる希望(武器)が見えてきました。
視座の柔軟性
コンサルタントはクライアント企業の数多くの階層・部署の方と関わり、またグローバルなチームで働くことが多いため、視座の多様性は自然と身についていると思います。役職が固定的で無いスタートアップにおいては、様々なステークホルダーの視点を行き来しながら、物事を考え・進めていく必要があり、その点はコンサルタントの経験が活きると感じています。
問いの質
得意技「そもそもさ?」・「ゼロベース思考」は結構活きます。一時の無駄も許されないスタートアップにおいて、固定概念を取り払って、無駄な時間を削いでいく・勇気を持ってサンクコストを捨て・考え方やアプローチの大胆なピボットを行うことは、とても重要だと感じています。
仮説思考
大好物、「仮説思考」はとても役立ちます。短いサイクルで仮説検証を行うことが求められ・何となくの定常業務が存在しない(するべきでは無い)スタートアップでは、「今は何を検証しているのか」、「そのためにどういうアクションを取っているのか」を明示化して時間を使うことが、とても重要です。
Unlearn・Learn
コンサル時代に毎回新しい領域のプロジェクトにアサインされ、Unlearn・Learnが習慣化し不確実性と学び直しへの慣れがあったことは、日々変化するスタートアップのスピード感でも活きています。
(書いてて思いましたが「モノを作り」・「モノを売る」という肝心の部分では何も貢献出来ていないことを改めて認識し、悲しくなりました…)
次回予告 「河邑 亮太という漢」
という感じで、「きちぃ」と思いながらも、何とか藻掻き「生きる希望」を見出しつつある私ですが、ふと隣を見ると、私なんか比べ物にならないくらい「目ん玉ひん剥きながら藻掻いている人」がおりました。
と言うことで続きは次の記事で。
タイトルは「河邑 亮太という漢」です笑
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