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ストレス解消の方法

この世界から、気に入らない人や物事を全て無くすことは不可能なのに、多くの人々は、気に入らない人や物事に働きかけ、思い通りに変化させようとしているように思います。しかし思い通りにしようともがけばもがくほど、その反作用として相手ないし世界の側からの抵抗が強くなり、ストレスが大きくなることになりそうです。

世界中を思い通りにするような無謀な企ては挫折するものですが、今回は方向性を異にし、その世界のことを「ああだ、こうだ」と思っているこの自分自身の心とは何なのかを考えてみようと思います。

約束を守ってくれない人がいることや、今の社会が不安定であったりすることも、それを自分の心が、「ひどい人だ」とか「このままだと自分の将来が不安だ」とかいった具合に、自分自身で勝手に感情を付け足すことによってストレスになっているだけだということが解ります。

そうした感情を付け足さなければ、約束を破られたことも、社会の不安定さもただの事実に過ぎず、ただの事実そのものには「良い」とか「悪い」という価値はないわけです。

この世の中に充ち溢れた学問や雑多な情報を学び憶えることは、いくら学んでも、いくら憶えても、更に学ぶべきものが出て来て、際限がありません。同じように、世界にいくらでも見つかる、気に入らないものを取り除く企てはもしその企てが成功したとしても、また次の気に入らないものが次から次へと出てきて際限がありません。

ですから、物事に対して「良い」「悪い」と判断する癖をすっきり捨ててしまう事がストレス解消の秘訣のようです。何が聞こえても、何が見えても、そして何を考えても、その内容に対して「良い」とか「悪い」とかの感情を付け加えない。ただ事実として受け止める。物事そのものには元々「良い」も「悪い」もなく、自分自身のこの心が勝手に物事に色を付けているだけだということを自覚する。

そして他の人や物に対して「良い」「悪い」はもちろん、自分の中に去来する欲や怒りや傲慢さといった感情思考に対して「良い」「悪い」と判断せず、ありのままに観察するなら、それらの憎しみや、他人と比べる気持ちや、際限のない欲望、等々も、ただサラサラと一瞬だけ流れて行くだけの、何ら実在性のない幻のようなものに過ぎないと分かってきます。

ただ、私たち人間は何ら実在性のない幻のようなものを考えてしまう余計な能力を持ってしまっています。困ったものです。


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