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新人が2週間でオンボードできる術 〜うなぎ屋の秘伝のタレ方式とは?〜

20代にチームを持つようになってから、一時期、営業を離れたこともありましたが、かれこれ15年くらい営業マネージャーをやってます。

新人採用はいくらでも取れる、上からの指示は絶対な組織(自分はそうしていませんでしたが)という当時と今では、マネジメント環境が大きく変わったなと思います。

先日、こんなツイートしたらそこそこ反応いただいたので、少し詳しく書きたいかなと思いました。これはあくまで自分の経験に基づくものですので、そのまま当てはまらない可能性もあるのでそこはご注意ください。

▼ちなみに自分のキャリアはこんな感じです。

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▼「営業マネとしてチームの生産性をあげられた方法」第一弾はこちら 


2週間で商談デビュー

絶賛成長中のスタートアップでのあるあるが毎月のように新メンバーが入ってくるということ。その時困るのが次々入るメンバーのオンボード(一人前に育てる)労力です。

うちのチームは共創が機能した少数精鋭体制を考えているので、そこまでのハイペースではメンバーが入って来てはいませんが、新メンバーが入ると、基本2週間で業務理解し、業務慣れてもらうのにあと2週間といったペースで、順調にメンバーが戦力化していっています。

商談に限れば、2週間ほどで商談できるようになっています。今回は私たちが、そのようなハイペースで戦力化してもらうためにどのような方法をとってるかという方法をシェアします

▼先日のウェビナーで話して、もっとも反響があったのも今回のナレッジ

”研修リスト”で セルフ・オンボード

結論から言えば、うちのチームでは「研修リスト」をマスタ管理して、新人はそれをコピーした自分専用のリストを作り、自分のペースで消化してもらう「セルフ方式」をとっています。

このリストは、社内でナレッジ共有用として使っているkibelaというwikiツールで作成しています。そこには社内で「良く使われるツールの使い方」や「メールの返信の雛形など業務の進め方」、「業界知識」、「商品知識」さらに「職能ごとの業務」がすべてチェックリスト形式でまとめられています。

項目の中には「ベルフェイスの商談録画を3本以上見る」「オンライン商談の合格をもらう」などの項目もありそれを修了できれば独り立ちできるわけです。ここの立ち上がりが早いのは当社が全ての商談の型を統一する方法を取り入れていることも理由の1つです。

▼チームで実際に利用している研修リスト(一部)

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研修項目の量や粒度について
どのくらいのボリュームですかと聞かれるのですが、それはあなたの会社のナレッジがどこまでまとまっているか、その粒度がやりやすいかによると思います。後述するリレー形式によってリスト項目は精査されて行きますのでまずは作るのが大事で、作成時にあまり気にしなくても良いです。

新人社員には「研修リストを2週間を目処に終えてください。わからないことがあれば、私だけでなく、周りの人にも聞いてください」と伝えます。

また、不明点が質問しやすいように、slack上に新人本人とメンター(弊社ではバディと呼ぶ)、同じチームの人、デスクをメンバーにした新人のオンボード専用のチャンネルも作り、質問も複数人で答える体制と敷きます。

あとは1on1や日報などで進捗を確認しつつ、不明なところないですか?と聞いてあげると良いかと思います。

セルフ式の研修をはじめた経緯

実はこの方式をはじめたのは前職の時です。基本、業務をどんどんメンバーに移譲していくタイプの私ですが、新人研修については、新人の最初のタイミングで間違ったことをインプットさせたくないと思い、自分でやり続けることにこだわっていた業務の1つでした。

でも毎月のように新メンバーが増えることによって、今度は自分のリソース不足によって新人研修の進捗に影響するようになり、そこをなんとか型化できないかと「教えたことをリスト化していって」と新人に作ってもらったのがはじめたきっかけです。

メリット① 研修はセルフがいちばん早い

この方式の良い点は、常にこちらが指示をせずとも自ら勝手にオンボードされていくということです。

一見、放置のように聞こえるかもしれませんが、都度都度こちらから対面研修を実施したり、課題を与える方式では、どうしてもそれを提供する教える側の都合のペースに合わせてもらうことになりがちです。

一方、反対にセルフで消化してもらうと入社してすぐは当然、抱えているルーティンなどもないので、そのリスト消化に集中でき、サクサク進んでいきます。取り組んでもらった人の感想としても、自分のペースでどんどん進められのはストレスがないとか、よかったとの声がとても多いです。

メリット② リレー形式でリストが勝手に進化していく

研修リストは実施しながら、わかりにくいところに補足を入れたり、新しい資料を追加したり、逆に要らなくなったものや変わったものは随時、修正をどんどん加えてもらっています。そして、研修を全て終えた後に、最後にその修正箇所を雛形であるマスタに反映してもららっています。

つまり、リストは常にメンテされ、時や流れにあったものに進化
され続けていくのです。

実はコドモン移ってからの初代研修リストは、私がオンボードしたあるインターン生(今は有名企業に就職)に教えたことをそのままkiberaにまとめてもらったものです。その後に入ってきた人が代々リストを引き継ぎ、進化させていくことでより早く、より間違いのないオンボードリストに進化していくのです。

また、これはレクチャーされる側が資料をまとめる方が実は双方にメリットあるという下記の考え方をもとに、受ける側がメンテナンスをする方式をとっています。

本人にアウトプットにまとめてもらうことで、より理解が深まる特性もありますので、もし本施策を真似するにも、最初にリスト作るの大変そうだなーと思ったら、自分でタタキを作らずに、【次に新しくジョインする人に教えながらその人にチェックリストを作って貰う】で良いでしょう。すぐにタタキができるかと思います。

リストを作る時の注意点(2024/10追記)

リストは永遠のベータ版になります。「後進によって情報更新されることが大切」ですので「後進による情報後進しやすさ」を最優先に下記を気をつけます

  • キレイに作りすぎない、凝りすぎない、作り込まない

    • 雑なリスト(wiki方式)でOK。→なるべくスプシも使わないこと

    • 完璧・しっかりに近づけるほど、皮肉なことに後輩たちが情報更新しにくくなってしまいます

    • 結果、更新が滞り、情報の陳腐化が早まります

  • 分岐させない

    • このリストで完結するようにしましょう。分岐するとメンテが行き届かなくなります

    • 補足資料を別リンクにするのはOK

  • スケジュールを決めない

    • スケジュールを組むと、用意する側の都合でスピード遅くなります

    • セルフでサクサク進めるように日程を組まないが大事です

セルフ式研修リストのまとめ

いかがだったでしょうか?まとめるとこんな感じです。
皆さんの参考になると幸いです。(活用できそうであれば、どんどんパクってください)

*チェックリスト形式の研修リストを作る
*リストをセルフで消化してもらうと早い
*専用チャンネルや1on1で進捗確認やサポート実施
*まず次に入る人に教える→リスト化してもらうと始められる
*リレー形式で精査・メンテしていく→よって作成時には研修項目の量や粒度を気にしなくて良い
*後進が情報後進しやすいようにを最優先

最後にコドモンの仲間募集

コドモンではこども取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものにしていくために、仲間を募集しています。詳しくはこちらから



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