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想像以上に

ずっとやりたかったことを2年前に始めた。それはまだアメリカに住んでいたころ、大学院のクラスメイトが「Hakomi Therapyって知ってる?」「Hakomiって日本語?」と聞いてきた時に始まった。「日本語っぽいけど、そんな単語聞いたことないよ」と返したものの、気になって調べると、ソマティック心療療法だった。ちょっと気になった。ただ、週末に航空会社でフライトをこなしながら、平日学校の授業や提出物それにインターンシップとあわただしいスケジュールに追われていた自分には一年半のトレーニングにコミットすることはできなかった。そのクラスメイトは、後日トレーニングを受けだして、「一言にすると、すごい!」と話していた。ますます気になった。卒業して時間ができたら、自分も受けたいと思った。卒業したら、結婚もして、マカオやラスベガスに住み、子供も授かり、マザーブレインも経験し、無事カリフォルニア州の臨床心理士資格も取り、個人開業も始め、日本に戻り、やっとついにようやく2年前にHakomi Therapyのトレーニングを受けだした。ソマティック療法はなんちゃらと、頭ではわかっていたが、実際のトレーニングは講師もベテランでありながら丁寧に説明してくれるし、なにせ実践練習が豊富に組み込まれているので、受講生同士でセラピスト役、クライアント役、オブザーバーと何度も交代し、そして各グループにアシスタントもつけてくれるので、めちゃめちゃ練習する。トレーニング外でも受講生数名とプラクティスグループで隔週練習する。幸い日本にいてもオンラインのため、カリフォルニアにすんでいるメンバーとも問題なく会える(オンラインの普及はコロナの少ない利点かもしれない)。
心と考えと身体はつながっていることが身にしみてわかるようになった。なぜ私たちがつらい経験を無意識に閉じ込めるのかもわかるようになった。そのつらい経験が心身の不具合として現れるクライアントに対し、心理士として何が必要なのかもだいぶ身についた。ずっとやりたかったことをやり始めてよかった。でも、まだ終わってない。ただ思うのは、やっぱり想像以上だ。

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