心の穴という存在
村上春樹さんの『国境の南、太陽の西』について書いていきます。
中年男性が初恋を引きずっているという内容なのですが、村上春樹さんの小説は解釈によってかなり印象が変わります。
皆さんは満たされないと漠然と感じることはありませんか?
この小説はそんな心の穴について書かれているように感じました。
誰しもが心に穴が空いている不完全な人間であり、無意識的にその穴を埋める何かを求めているが、その穴の存在自体に気づかずに過ごしている。
心の穴の存在を認識して初めて自分が何かに飢え、その穴を埋める何かを探し求めていることに気がつく。
そして、心の穴を埋めることができる理想の何かが目の前に現れた時、それに抗うことは不可能だということです。
たとえ全てを捨てることになったとしても。
それほどまでに渇望している物なのでしょう。
しかし、理想の世界を追い求め続けた先に待っているのは破滅。
これが小説に出てきたヒステリア・シベリアナなのかなと思いました。
考察
タイトルの意味なのですが、私の解釈は国境の南が現実世界で、太陽の西が理想の世界なのではないかと思いました。
有紀子さん🟰現実世界
島本さん🟰理想の世界
イズミさん🟰現実世界と理想の世界の中間世界
主人公は理想の世界に行けず、現実の世界にも戻れず中間の世界に留まったのではないかと。
皆さんはどう感じましたか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?