12月に生まれる、まだ名も無い君へ
ママが入院しました。
妊娠8ヶ月目、妊娠後期にさしかかったママはお腹のハリがひどく、産婦人科へ。コロナウイルス感染拡大の影響で付き添いすることができず、パパは自宅待機。
1週間絶対安静とのことで、ハリをやわらげる飲み薬を処方してもらって、仕事はもちろん休み、家では基本ごろごろ。少し楽になったみたいだった。
3日後、お昼近くまで寝ていたパパは、ママの話している声がして、起床。少し涙ぐみながら電話している。どうやら産婦人科に電話してるみたい。
ママ:「少し出血があったから、病院へ行かなきゃ。『ご主人にも来ていただいて大丈夫ですよ』って言ってたんだけど、どうする?」
パパ:「行って大丈夫なら行くよ。」
そこからタクシーを呼んで、かかりつけの産婦人科へ。祝日だったので、裏口から入り、体温計測とアルコール消毒して院内へ。パパは待合場所で待機。ママは検査へ。
検査を終えた看護師さんが待合室へやってきて、いろいろ説明してもらった。
・前回の検査から比べて悪くなってはいないみたい。
・出血の原因は、妊娠とは関係ないらしく、安心して良いとのこと。
・点滴で薬を入れる方がハリがおさまった状態で過ごせるとのこと。
・急だけど、今日から入院してもらいますとのこと。
そのあと、当直の先生も待合室にやってきて、看護師さんの説明に加えていろいろ教えてくれた。
先生:「ハリが続くと切迫早産の可能性もあったから、入院した方が良いし、里帰り出産するなら、今回の入院が終わったら、すぐ里帰りした方が良いよ」
検査が終わったママと対面。やっぱり泣いてる。すっごい不安だったんだろうな。
パパ:「大丈夫だよ。先生も言ってたでしょ?悪くなってないよって。」
入院で必要なものリストを看護師さんと一緒に作成。看護師さんも丁寧にいろいろ教えてくれて、優しくママに接してくれて本当に助かった。
ママは病室へ行くことになり、パパは入院の準備をしに帰宅することに。入院中の面会は基本的に禁止。少しの間、パパとママはお別れ。
帰りに必要な買い物を済ませ、衣類、洗面用品など、いろいろなものを詰め込み再度病院へ。
病院の裏口で看護師さんへ荷物を渡して、ママに電話。
パパ:「荷物看護師さんに渡したよ。ほかに何かいるものある?必要だったら駅前で買ってもう1回行くから教えて。」
ママ:「ありがとう。とりあえず今日必要なものはあるから大丈夫だよ。」
パパ:「わかった。また必要なものがあったら言ってね。すぐ良くなるから安心して、安静に過ごしてね。」
ママ:「うん。ありがとう。」
12月に生まれる、まだ名も無い息子へ
今年はパパとママにとって、すごくいろんなことがあった年だったんだ。
夫婦になって、初めてお互いの実家で年末年始をすごして、
4月に予定していた結婚式の準備を進めて、
ママの妊娠がわかって、
コロナウイルス感染拡大し始めて、
4月の結婚式が9月に延期になって、
在宅勤務がはじまって、
9月の結婚式を中止にして、
そしてママが入院して、
今年あったことそれぞれ一行で書いてみると、わかりづらいかもしれないけど、つらくて、悲しいことがたくさんあった年だった。
結婚式の延期・中止のことで、たくさんケンカしたし、ママは悲しくて、たくさん泣いた。
コロナウイルスのせいで、予定していたことがたくさんなくなってしまったし、この状況で妊娠していることもママにとっては、すごく不安だったと思う。
そんな悲しくて、つらくて、不安でも君がお腹にいるから、パパもママも乗り越えてこられた。
だから、無事に元気で生まれてきてね。
今年の悲しさやつらさが吹き飛ぶ、君の元気な姿を楽しみにしています。
悲しくて泣いてばかりだったママを嬉し泣きさせてあげてください。
君とママとパパ、3人での結婚式も楽しみにしてるね。
君が、どんな状況で、誰のどんな想いで、この世に生まれてくるのか、どうしても残しておきたくて、ここに書きました。
もちろんパパのエゴかもしれないけど、どうしても君に知っていてほしくて。